内容説明
犯罪史上、類例のない帝銀事件。特捜本部の刑事たちは、日本の秘密戦部隊のほぼ全貌に肉薄した!そこに立ち塞がった「捜査の壁」とは?
目次
第1章 帝銀事件捜査と『甲斐捜査手記』(帝銀事件とは;『甲斐捜査手記』の存在;『甲斐捜査手記』の数量的分析;『甲斐捜査手記』から読み取る捜査の流れ)
第2章 捜査で浮上した日本の化学戦部隊(陸軍習志野学校;第六陸軍技術研究所(六研)
陸軍糧秣廠
関東軍化学部(五一六部隊)・五二六部隊
陸軍第二造兵廠忠海製造所(大久野島))
第3章 捜査で浮上した日本の生物戦部隊(関東軍防疫給水部(七三一部隊)
中支那防疫給水部(一六四四部隊)
関東軍軍馬貿易廠(一〇〇部隊))
第4章 捜査で浮上した日本の謀略戦部隊(第九陸軍技術研究所(九研・登戸研究所)
陸軍中野学校
特務機関
八六部隊・中野実験隊・特設憲兵隊)
第5章 捜査の終結:捜査の二つの壁(第一の壁:GHQと旧軍人の介入;第二の壁:通常捜査の盲点「変装」)
著者等紹介
山田朗[ヤマダアキラ]
1956年、大阪府生まれ。明治大学文学部教授、平和教育登戸研究所資料館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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純子
26
新聞で知り図書館に購入希望を。真新しい本を手にしたものの…帝銀事件そのものについての知識がなく。当時の捜査員の覚書を分析するといった学術的な文献だったので、いやもうほんとに苦戦しました。戦後まもない時期の毒物殺人銀行強盗事件は、その毒物扱いの特殊性から七三一部隊等旧日本軍関係者によるものではないかと思われたが、ひとりの画家が逮捕され捜査は打ち切りに。GHQの影あり。鉛筆手書きの覚書をデータ化するなど大変な苦労のもとに書かれた1冊。人体実験、初めは嫌だったが慣れると一つの趣味になったという生々しい証言あり。2020/10/28
takao
2
ふむ2023/02/11
gkmond
0
『甲斐捜査手記』って非公開の覚書をソースに捜査一課が日本軍の秘密戦についてこれだけ調べ上げていたって話が書かれている。興味深かったけれど、なぜ平沢貞通が捕まるに至ったかとか、取り調べはどうだったかとかに興味がある向きには「一切書かれていません」と注意を促したい。眼目は昭和23年時点で731部隊その他の戦時中の動向を警視庁が帝銀事件という入口からこんなに調べ上げていたよって紹介と、そいつら守るために警視庁内に別動隊が作られて捜査妨害してたよって話かな。こんな切り口もあるのねと思った。2025/02/19
ホリエンテス
0
結局最後まで推察をあまりせず、警察の調書をダラダラと連ねただけ。調書をそのまま載せる意味があるのか? 大学教授の論文資料のようで読み進めるのが苦痛のまま終わった感じ。2023/03/19
turutaka
0
帝銀事件と旧陸軍の秘密戦を展開する部隊の関係を調べていた甲斐手記を読み解く本、2冊目である。短期間で731部隊をはじめ旧陸軍の秘密部隊の全容を明らかにした捜査陣には頭が下がる。BC級戦犯が国内外でバンバン捕まる中で、人体実験や細菌戦に伴うデータを所持していることから免責対象となっていることは、許し難い事実。 あと名刺のせいで巻き込まれただけと思っていた松井氏も外地で虐殺、凌辱に関わっていたのは知らなかった。(調べたら有名な話なんですね)となると、最初からこの犯罪をデザインした人は・・・闇が深い2022/06/07
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