感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
72
写真絵本。ドアップな表紙の写真が印象的かっこいい▽アメリカ先住民にとってハクトウワシは神の使い。アラスカ南部キナイ半島にあるホーマーで、著者は[イーグルレディ]ジーン・キーンと会う。ジーンは、1960年代に絶滅の危機に瀕していたハクトウワシの保護活動を1970年代後半に始めた。断崖絶壁にある直径3m程の巣を取材し、抱卵から雛の巣立ちまでをおう▽写真が迫力満点で美しい。読み聞かせ向き。2020年刊2024/11/13
たまきら
35
美しい表紙から精悍な裏表紙まで、敬慕の気持ちがつまった素晴らしい写真絵本でした。もちろん今ではアメリカの国鳥であるハクトウワシがメインですが、まだまだ理解が進んでいない頃からたった一人で鳥を保護し、快く彼の取材を受け入れてきた「イーグルレディ」への敬意が伝わってきます。彼女が鳥とともに過ごしている写真に胸が熱くなりました。こういう人々のおかげでつながっている生命が、世界中にあるんだろうな。素晴らしかった。2025/03/27
Shoko
22
図書館本。写真絵本。鋭い目と頭の白い羽毛が特徴的なハクトウワシ。かぎ爪の鋭さも、まるで鉄でできているみたい。翼を広げると2メートルにもなるという。迫力ある写真で、その姿は神々しいというのがぴったり。「神の使い」と呼ばれるのに相応しい。2023/10/15
ぽてちゅう
13
ハクトウワシは神の使い。彼らが子育てする姿をそっとのぞかせてもらった写真絵本。その威厳に満ちた姿、野性のものがだけが放つ鋭い眼光。強風に吹かれ、冷たい雨に打たれ、体に雪が降り積もっても動じない、鋼のように強い意志。絶滅の危機に瀕した時もあった。予想に違わず、ほぼ100%人間による被害。我々は何者なの?彼らを追い詰め、傷つけ、共存を拒む者なのか?彼らに餌を与え、地道に支えたイーグルレディのように、共存を求める者なのか?ハクトウワシに信頼に足る存在だと認めてもらえるように、微力を尽くしたい。2021/11/13
遠い日
13
前川貴行さんの写真を求めて。ハクトウワシの野性味を最大限に引き出した渾身のショットがすばらしい。抱卵から子育てをじっくりと観察して捉えた写真は、野性味溢れる姿からは考えられないような愛情に満ちた印象だ。前川さんの粘りもすごいが、ハクトウワシの保護活動を生涯かけて行ったイーグルレディことジーン・キーンさんの存在も忘れてはならないこと。絶滅危惧種の指定から解除されるほどの個体数を戻したというからすばらしい成果をもたらしたのだ。2020/08/07