内容説明
9歳のときに広島で被爆。家族を失い、助けてくれた人と韓国に渡るも孤児に。14歳で朝鮮戦争に遭遇…二つの戦争を生き抜いた友田典弘氏の劇的体験。
目次
第1章 原爆孤児に
第2章 韓国での生活
第3章 再び孤児に
第4章 朝鮮戦争の中で
第5章 仕事
第6章 日本へ
著者等紹介
吾郷修司[アゴウシュウジ]
1967年神奈川県生まれ。岡山大学教育学部卒業後、岡山県北の中学校・小学校に教員として勤務。戦争体験者などに直接取材し、脚本を執筆。文化祭・学習発表会での演劇のほか、地域の方を招いた演劇公演なども主催
友田典弘[トモダツネヒロ]
1935年広島県生まれ。広島で育ち9歳で被爆。家族を失い原爆孤児となる。朝鮮半島出身の男性に連れられ、韓国へ渡るが、家出をして再び孤児に。朝鮮戦争の中を一人で生き延びた後、パン屋につとめる。24歳で帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マイケル
9
原爆孤児の話は知っていた、そして戦後日本から朝鮮半島に戻った人がいたことも。しかし、9歳で原爆孤児になり彼らと一緒に朝鮮半島に渡ってそこでも孤児になり、朝鮮戦争の最前線(!)を生き延びた日本人少年がいたなんて驚き。貴重な時代の証言。爆心地のすぐ近くでたまたま学校の地下に居て命拾い。偶然と運の良さ。しかし原爆孤児として焼野原で生活。半島に帰る人とソウル近郊で一緒に生活するも「チョッパリ」としていじめにあうなどして家出し浮浪児に。朝鮮戦争勃発し、北朝鮮軍、米軍、中国軍兵士から食料をもらって生き延びた少年。2021/02/14
コウみん
2
広島の原爆で家族を亡くし、朝鮮に渡った友田さんは朝鮮戦争でまた孤児になる。 そこで出会ったいろんな韓国人たちとの出会い、他国での生活。そして、15年ぶりに母国に戻ってくる。 あまり知られていない朝鮮戦争での日本人の物語の一冊。2024/02/18
とめきち
1
友田さんは、原爆が落ちた直後の光景は思い出したくもない残酷なものにも関わらず、後世のために、それを思いだし、語ってくださった。その内容が31ページに書かれている。テレビで紹介するのもためらってしまうような内容だが、ここは、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思った。ここを読めば核の利用は絶対にあってはならないと誰もが判断すると思う。2019/12/27