感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
78
「太陽活動の変動のメカニズムおよびその気候への影響に関する研究」を小中高生向けに書いた本（2019年刊）。著者は、自然科学分野で顕著な研究業績をおさめた 50歳未満 の女性科学者に贈る「猿橋賞」を授賞(2023年)した宮原ひろ子氏。太陽の黒点には強い磁場があり、太陽フレアという爆発現象を起こす。太陽の黒点の増減は11年周期で繰り返され、黒点が減ると地球が寒くなる。その太陽の活動の歴史（記憶）を、南極の氷からベリリウム10、木の年輪から炭素14の量から調べ、気候との関係から解き明かす。→2023/06/09
hiace9000
28
科学図書なのに読書感想画中央コンクール指定図書（?）との帯文（笑）。純粋に太陽に関する個人的興味から手に。「純粋な少年少女向け科学・理科の本」とあなどるなかれ、女性版『バッタを倒しにアフリカへ』とも呼ばせていただきたいほどの熱量ありの一冊。貪欲に自己の研究に没頭し、ケニアでマラリアを蹴散らし、屋久杉を弄り、弘前で古文書と格闘する譚もあり。太陽の歴史、活動異変、気象との関わり等々《初耳学》の連続で、知識欲十分満たされる。ただ、この本を読後の少年少女達はどんな感想画を描くのだろう。それを思わずにはおれない。2020/09/18
美東
10
「太陽ってどんな星？」ってタイトルだけど、「太陽が地球の気候にどのような影響を与えているか？」がテーマ。そういえば、カバー表紙はダイナミックな太陽と右上に小さくひっそりと地球がデザインされている。テーマが普段考えたことのないような内容なので、大人でも読みごたえがあった。2019/11/10
mft
9
小学生向けかな（「層」すらひらがな）。太陽の気象に与える影響など著者の研究が反映されているので、意外に他で読めない内容だと思う2019/09/02
ネジとサビ
7
これまでも、これからも未来永劫変わらないイメージを持つ太陽が、実は気まぐれで不確かな存在だと再認識させられて、面白く読める。過去の太陽の活動を探るにあたり、弘前藩の日記が（参勤交代をしていた江戸の天気も含め、弘前と江戸の2カ所分の記録）200年分も保存されていたことにびっくり。 太陽の研究者なのに、太陽以外の南極の氷や海の底、木の年輪や日記を調べるという多角的に物事を捉える視点を子どもたちに伝えたいなぁ。2020/09/13
