出版社内容情報
過労死と落語。「水と油」の取り合わせに見える「過労死落語」から生み出される感動を生き生きと描きだす。過労死と落語。「水と油」の取り合わせに見える「過労死落語」には、理不尽に死んでいく人の悲しさと、その死への怒りが込められてはいても、なぜか温かい。その温かさがなぜ生まれるのかを生き生きと描き出した新聞記者・松井宏員氏の「毎日新聞」連載と、急逝した落語家・桂福車師匠の演目を再現して収録する。落語がもつ文化力が際立つ書。
桂福車[カツラ フクシャ]
著・文・その他
松井宏員[マツイ ヒロカズ]
著・文・その他
目次
過労死落語を知ってますか(「エンマの願い」開演;鬼が語る労働法;家族の会のたたかい;モーニングコーヒーを供えて;「ケンちゃんの夢」に託す夢;働き方改革というけれど;原点を語る;桂福車さんを悼む)
桂福車の過労死落語「エンマの願い」
落語を通じて伝えたい「過労死防止」の大切さ(落語作家との出会いをきっかけに;過労死への世間の認識に変化が)
著者等紹介
桂福車[カツラフクシャ]
1961年、大阪市生まれ。落語家。2018年死去
松井宏員[マツイヒロカズ]
1964年、和歌山県生まれ。毎日新聞夕刊編集長。1986年毎日新聞社入社。2009年から現職。長期連載「わが町にも歴史あり―知られざる大阪」で2014年、坂田記念ジャーナリズム賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tellme0112
11
全く知らなかった。さすが大阪なのか、昭和元禄落語心中はまってからのこれ。年代確認しながら、与太郎がこうやってたころ(架空世界)こんな労災死事件があってこんなときから創作落語作ってたんだな(現実)とか。鳥肌だった。別業界から落語一からやる方がいる。ジェンダー視点入れて、女子が聞いても腹が立たない、価値観を押し付けない、笑いをお願いしたいなあ。聞く人が落語を作っていくんだな。生で聞いてみたい。 遺族の方の言葉を噛みしめた。2019/01/25
kg
2
過労死遺族と演芸作家と落語家の泣けて、笑えて、怒りのルポ。巻末には創作落語「エンマの願い」台本も! 福車さんがご存命中に一席聞きたかったです。2018/11/29
まんまる
0
過労死、過労自殺について、家族会、弁護士等の戦い、過労死防止法成立に向けた努力等を、落語を作って落語作家や落語家が紹介する。落語を作る過程や、作家と落語家の意見の食い違いも書かれていて興味深かった。2019/11/20