内容説明
約150万人が無念の死をとげたアウシュビッツ。『アンネの日記』で知られる少女の隠れ家と、家族を見守ったミープ夫妻に直接取材した「アンネ・フランク 隠れ家を守った人たち」。作者が現地を初めて訪れた時の気持ちと、なぜ虐殺が起きたのかを伝える「アウシュビッツと私」。いまの日本にもつながる作者渾身の2作品を収録。
目次
アンネ・フランク 隠れ家を守った人たち(隠れ家への第一歩;隠れ家までのアンネは…;隠れ家生活七六一日間;隠れ家から収容所へ;隠れ家を守った人たち ほか)
アウシュビッツと私(アウシュビッツ強制収容所へ;「労働は自由への道」と書かれている;貨車が乗り入れた降車場はビルケナウ(アウシュビッツ第二)だ
みんなにさようなら
アウシュビッツの役割 ほか)
著者等紹介
早乙女勝元[サオトメカツモト]
1932年東京生まれ。作家、東京大空襲・戦災資料センター館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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akane_beach
16
1)アンネの隠れ家生活〜収容所 2)アウシュビッツの取材、の二つのパートに分かれる。歴史には疎く、連合国と日本、ドイツ、ソ連との関係も、今まで殆ど知識も興味もなく生きてきた。先月はソ連に囚われた日本人の話を知った。この本はナチス。ナチスと日本には思想教育など共通点があっようだ。精神的にも耐えがたい重い内容。イタリアの名作映画「ライフイズビューティフル」を思い出した。人類史上最悪の出来事を語る人がいなくなる中、作者と同じく私も、現在の日本の風潮としての排他性からの人間性の退行を危惧し、未来に不安を感じる。2018/02/25
Nobuko Hashimoto
16
子の誕生日に祖母(私の母)が贈った本を先に読んだ。早乙女さんが今またアンネ・フランクを?と思ったら、絶版となった80年代に発行された2冊『母と子でみる アンネ・フランク 隠れ家を守った人たち』『アウシュビッツと私』を収録したものだった。著者があとがきで書いているが、刊行時よりも掲載写真がかなり減ったそうで残念。母と子でみるシリーズは写真の豊富さが魅力なので。それでもアンネの方はわかりやすい。2本目の収録作品は、時期的な点で限界を感じる箇所もあるし、歴史を追った部分は児童生徒にはやや難しいかもしれない。2017/12/18
まゆみなり
6
もっと日記の部分があるのかと思っていたら、そうではなく、隠れ家生活や、アウシュビッツでのこと、歴史的事実、を確認するための、しかも復刻版だったようです。ちゃんとこれからの世代にも語り継がれて欲しいです。2017/12/18
アーク
4
僕が「アンネの日記」を初めて読んだのは、確か中学生の時だったかな。僕は小学生の時に手塚治虫の「アドルフに告ぐ」を読んでいたませガキだったので、ホロコーストものの一環で読んだ記憶がある。翻って本書、アンネ・フランクを巡る人々や隠れ家、そして収容所の様子が生々しく綴られていて、戦慄した。「アンネの日記」に描かれている瑞々しい文章や感情表現と、その後にアンネが強いられることになった収容所の中の地獄という言葉では生ぬるいほどの生活のコントラストが悲劇性をより強調していた。哀しいけれど必読の一冊。2017/12/06
オリエ
2
総合あとがきにあった「母と子でみる」シリーズ、亡くなった祖母が残した本の中にあった。「アウシュビッツ」と「プラハは忘れない」の2冊。目を背けたくなるがこれは歴史の真実。歴史から学んで未来へとつないでいかなければならない。 祖母はアウシュビッツにも行っている。この本を読んで、作者の方と同じような衝撃を受けたことを語っていた。2018/01/14