内容説明
列のこころ、ものわかりよさ、異性の友情、明日をつくる力、人間の結婚―結婚のモラル…新しい時代に響き合う知性と良心の言葉。
目次
1 若き知性に(知性の開眼;新しい船出―女らしさの昨日、今日、明日;自信のあるなし;幸福の感覚;列のこころ;ものわかりよさ;異性の友情;明日をつくる力;人間の結婚―結婚のモラル;離婚について;若い人たちの意志)
2 真実に生きた女性たち(マクシム・ゴーリキイによって描かれた婦人;フロレンス・ナイチンゲールの生涯;キュリー夫人;ケーテ・コルヴィッツの画業)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nadami30
2
1940年代の女性の生きづらさと若い世代への温かいまなざしが綴られた言葉たち。 今読んでもまったく古くない。 誰かに責任をなすりつけも非難もしないのに、開かれた世界の到来に向けてガラスの天井に投石を続けるような、知性の鋭さ。 言葉の石を投げ続けている。 宮本百合子の言葉が今の世に復刊されて嬉しい。 次は『伸子』と『二つの庭』の復刻をお願いしたい。2021/09/19
wengou802
0
玲瓏な文章が無理なく頭に染み透ってくる。声に出して読んでも心地良い。1940年代に綴られた文章でありながら新鮮な感覚を与える。民主的な憲法はできたが、その精神に基づく社会となるまでに存する問題を炙り出し、希望の所在を示している。近年、幸福の象徴のように描かれがちな結婚に未だ孕まれている問題、それを乗り越えた関係性の可能性。個人は環境に縫い込まれていながら、全体の図柄を変えていくことができること。社会や時代を所与のものとして諦めるのではなく、透徹した眼差しをもてば、それらを突き抜ける可能性が見えるとわかる。2022/09/11
Sym
0
「自身のあるなし」が気に入った。 「列のこころ」は読んだときピンとこなかったが、解説を読んでもう一度読みたいと思った。2018/01/31