内容説明
バルト海沿岸にある森と湖の美しい国・リトアニア。1941年、ナチス・ドイツ侵攻後に始まったユダヤ人狩りで、わずか半年の間にほぼ10万人が銃殺された。アンネ・フランクと同年代の少女・マーシャは、ゲットーおよび強制収容所での苛酷な体験を目に耳に心に刻みつけた―!少女・マーシャが、強制収容所での苛酷な迫害のさなかに、信念をもって書きつづけた真実の記録。
目次
第1部 占領下のヴィリニュス(ドイツ軍の侵攻;次つぎに出される命令;ポナールィの森での銃殺 ほか)
第2部 ゲットーに入れられる(職人は第一ゲットーに;第二ゲットーの閉鎖;一九四二年 ほか)
第3部 強制収容所に送られる(ラトビアへ;カイゼルヴァルト強制収容所;シュトラスデンホーフ強制収容所 ほか)
著者等紹介
ロリニカイテ,マーシャ[ロリニカイテ,マーシャ] [Rolnikaite,Masha]
リトアニア出身のユダヤ人作家。1927~2016年。生涯反ファシズムを訴え続けた
清水陽子[シミズヨウコ]
早稲田大学第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
80
バルト三国のリトアニアにおけるホロコースト。ドイツ軍が侵攻し、占領下に置かれたヴィリニュスで、ソ連に従軍した父親が行方不明のまま、母親・姉・妹・弟とゲットーで生活する13歳の少女マーシャ。ユダヤ人絶滅計画が進行するなか、財産を奪われ、服に星のマークをつけ、職人の証明書をもつ母親の労働で餓死しない程度の食糧の配給はあるものの、ドイツ警察本部と折衝するユダヤ人評議会は弱体化し、最悪の状態を迎える。「一日だけでもいいから殺される恐怖を感じずに暮らしたい」という少女の願いは、ポナールィの森に追いやられた家族の銃殺2020/01/03
take0
25
ホロコーストを生き延びた著者の手記。1941年著者13歳の時、住んでいたリトアニアの街が占領され、父親が消息不明となり、母親、姉、幼い妹、弟との占領下のゲットーでの生活、ゲットー閉鎖により母、妹、弟と分けられ、マーシャ一人ラトビアの強制収容所に送られ、戦局の変転で更にポーランドの強制収容所へと移され、1945年ソ連軍の進攻で撤退するドイツ軍に連行されている途上で解放されるまでが語られている。凄絶で悲惨な状況には胸が塞がれる思い。何があったかを語らなければならない、との強い使命感により本書はまとめられた。2019/03/18
Nobuko Hashimoto
14
本書の訳者、清水陽子氏の著書『ユダヤ人虐殺の森』の内容があまりに強烈だったので、この夏はリトアニアのホロコースト現場を訪ねる旅を敢行した。同書はマーシャの日記に多くを依っていたので、もとの日記を読みたいと思っていたところ、新たに翻訳書が刊行された。ソリー・ガノール『日本人に救われたユダヤ人』とともに、リトアニアのホロコーストの生々しく、詳細で貴重な証言。ソリーはカウナス、マーシャはビリニュス出身。両ゲットーの運営の仕方やかなり違っていて興味深い。それにしてもよく生き抜いて証言を残されたものだと思う。2017/10/29
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
ナチスドイツにより、強制収容所に入れられた著者が、何とか筆記具を手に入れ綴った4年間の記録(記憶をたどった箇所もあり)。生還できたのは極わずかなユダヤ人、その中の一人の生々しい記録。2019/01/01
エル
7
〈銃殺〉〈ファシズム〉〈戦争〉〈占領〉などという言葉が、実際にはどんなことを表す言葉であるのか。まさに想像を絶する体験をしたマーシャの言葉のなんと重たいことか。人が人にここまで残酷になれるのか。それが戦争、そしてホロコーストなんだ。子どもも老人も弱いも強いも関係なく殺されていく。どうして人間は愚かなことを繰り返すのか?それは人間が死ぬからだ。悲惨な体験をした当事者が死んで、それを知らない愚かな人たちが再び同じことを繰り返すのだ、という言葉はまさに真理だと思う。だから歴史は学ばなければならない。2022/12/31