内容説明
『スターリン秘史』の新たで鋭角的な視角を解き明かす。
目次
はじめに―スターリンとのかかわり
現代史の見直しと『スターリン秘史』
1 反ファシズム統一戦線と「大テロル」の時期(一九三四~三九年)
2 独ソ提携の時期(一九三九~四一年)
3 反ファシズム世界戦争の時期(一九四一~四五年)
4 「冷戦」とスターリン戦略(一九四五~五三年)
総論的に―現代史の見方が変わってくる
著者等紹介
渡辺治[ワタナベオサム]
1947年、東京生まれ。現在、一橋大学名誉教授、九条の会事務局。東京大学法学部卒業、東京大学社会科学研究所助教授、一橋大学教授、日本民主法律家協会理事長などを歴任
不破哲三[フワテツゾウ]
1930年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
16
一言で言ってこれは面白い本です。モヤモヤと目の前にかかる霧のヴェールがすーっと晴れていく感覚を何度も感じました。2017/07/25
yo yoshimata
4
不破さんの大著『スターリン秘史』をめぐる不破さんと渡辺さんの対談。雑誌連載でも読んでますが、1冊にまとめられ、一気に読みました。1930年代から終戦後までの諸事件をスターリンの覇権主義の貫徹という視点から捉え直した大著ですから、それをネタにした対談も長い。長いだけに全体像をふまえて読める一冊になったことがとてもありがたいです。本書によって現代史のいくつかの局面のとらえなおしを提起する渡辺さんに対し、不破さんが基本的に慎重な姿勢を示していることは印象に残りました。あくまでも事実の解明を優先した、という問題意2017/06/25
honyomitai46
0
とてもおもしろかった。1930年代から1950年代までの知らなかった事実。社会主義・共産主義へのイメージを作ってきたスターリン。個人専制主義。大テロル、諸国への干渉、民族自決を阻害する行為。やばいやつだな。個人的には、近衛文麿の上奏文が、印象的だった。ユーゴスラビアも。 歴史を知ると認識が変わる。7巻ある『スターリン秘史』に怯えて避けてきたが大きく全体像が見えてよかった。理解を深める意味でも『秘史』を読んでいきたい。2018/02/02