内容説明
この思いをどう受けとるか、一人ひとりが問われている!渾身のフォトドキュメント!
目次
「おじい」「おばあ」たちの命がけの証言
暗闇で飲んだ水は死んだ人の血で真っ赤だった 島袋文子さん(八七歳)
「対馬丸」から助かった私の使命 平良啓子さん(八一歳)
「集団自決」生き残りだから戦争はイヤなんだ 宮里洋子さん(七六歳)
今も自分を責めて眠れない夜がある 伊佐真三郎さん(八六歳)
「死んではいけない」という師範学校長の言葉を生きる力に 古堅実吉さん(八七歳)
沖縄戦の悲劇の始まり、サイパン島を生き延びて 横田チヨ子さん(八七歳)
妹を絞め殺した日本兵を忘れない 城間恒人さん(七六歳)
母の遺言が語る沖縄戦 砂川弥恵さん(七二歳)
著者等紹介
森住卓[モリズミタカシ]
1951年生まれ。フォトジャーナリスト。日本写真家協会(JPS)、日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。1994年より世界の核実験被爆者の取材を開始する。『セミパラチンスク』(1999年、高文研)で日本ジャーナリスト会議特別賞、平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞、「Autoradiograph From FUKUSHIMA」(2016年)で視点展奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
24
壮絶な沖縄戦の中を生き抜いた人たちの証言であり、この本に出てくる人たちは現在も米軍基地で座り込みをしている。基地があれば、そこから戦争に出ていく・・。私は知らないから、沖縄に米軍基地を置く政府のやり方も理解できると思ってしまったが、このような体験を聞くとそれは違うのかと心揺さぶられる。沖縄戦と現在の沖縄の米軍基地は、違った意味合いがあるのでは、とも思うのだが、沖縄戦を生き抜いた人たちの証言は重い。2017/11/27
二人娘の父
10
「なぜ沖縄県民は新基地建設に反対するのか」―善意、悪意を問わず、基地建設反対運動に対する疑問にたびたび出会う。太平洋戦争末期、本土防衛の「捨て石」となった沖縄。血で真っ赤に染まった水を飲み、日本兵に妹を絞殺され、集団自決で家族全員を目の前で失う―この戦争の惨禍を生き抜いた8人のおじい・おばあの証言。そこから伝わるのは「唯一の地上戦」の記憶が、米軍基地の存在によって呼び覚まされているということだ。それはイデオロギーや主義・主張ではなく「戦争につながる基地をつくらせない」という信念だ。2016/08/04
futomi
3
134ページ「(空襲警報の)サイレンが鳴ると、一歳にもならない弥恵が這い這いしながら子ども用の防空頭巾とおぶい紐を持って、私のところに来ることが不思議だった。」 1945年、敗戦の年だ、の春。沖縄に連合軍が上陸し、沖縄の人達は逃げ惑い、殺され、家族を失った。四人に一人というから、その2,3ヶ月に家族を無くさなかった人はいないということか。思い出すこともつらい出来事を、このように証言してくれたことに、私は何か行動しなければと思う。 2017/10/15
Takao
2
2016年7月30日発行(2017年3月10日、第3刷)。2017年8月11日、俳優座特別公演「戦争とは…2017」が演じられた。本書に収められているおじい・おばあの「沖縄戦最後の証言」は、公演の最後に、その一部が朗読された。プロの俳優さんによる朗読は素晴らしく、終演後、会場で求めた。沖縄戦については、何冊も読んで知ってるつもりだったが、本書を読んで、無数にある生存者による証言を読み、聴いて、次の世代に語り継いでいかなくてはと思った。その沖縄を踏みにじり新基地建設を「凶行」する政府に新たな怒りを感じた。2017/08/14
天茶
1
★★★★★2020/12/30
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