内容説明
じいちゃんが、孫のハナやタロくらいの子どもだった頃。戦死した父ちゃんにかわって、母ちゃんは一日中働きとおしだった。海辺の村に空襲警報のサイレンが鳴りひびく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どあら
21
図書館で借りて読了。戦争は絶対にしてはいけないです!2018/10/31
ナハチガル
14
以前親族が集まった時、父のいとこが孫達のために見事な竹とんぼを作って持ってきていたのを思い出した。昔の子どもは皆、肥後守で竹とんぼをつくっていたのだろう。腕を競いながらおもちゃを自作していたのだ。私も数年前、文房具についての本を読んでいたら急に鉛筆が削りたくなって、数本買い求めた。すぐに飽きてしまったけど、カッターナイフにはない重厚感と親密さを感じたものだ。戦争絵本としては個人的にもうひとつだが、竹とんぼと銃痕の残る肥後守というモチーフはよい。B+。2017/11/14
ケ・セラ・セラ
13
竹とんぼに秘められた、おじいちゃんが語る戦争体験。命はお国のため、戦のためのもの。そんなの嫌だと誰も言えない。我が子を失い、友を失い。非国民と罵られても命がけで愛する者を守る。銃弾の跡を残すナイフ。こんなこと、もう二度とあってはいけない。2019/10/14
いっちゃん
12
戦争とは無縁のタイトルと表紙。それだけに、おじいちゃんの壮絶な人生が、より残酷に思える。最後のナイフの写真をみて、どこか物語のように思っていたお話が、急に現実として目の前に突きつけられたように感じた。2017/10/13
ヒラP@ehon.gohon
12
久しぶりの梅田俊作さん作品。 タイトルからは想像できない、痛烈な内容でした。 おじいちゃんの作るたけとんぼは、戦争で死んだ友だちから譲り受けた技とナイフで作られていきます、 しかもそのナイフが戦闘機の機銃掃射から命を守り、手渡した友だちは死んでしまったという出来事に、鋭い苦痛を覚えました。 親兄弟を戦争で失い、人の心も異常だった時代の海辺の物語。 創作だそうですが、巻末に掲載されているナイフの写真が、物語を生々しくしています。2016/10/09