内容説明
「大戦争」後、人類は三百年の時を耐え地下シェルターから開放の時を迎える。大陸の東にはオルテシア共和国、西には中小シェルターの共同体であるカザール自治連邦が。そして、共和国の荒れ地の片隅に、飛ぶことを欲する少年がいた。
著者等紹介
みおちづる[ミオチズル]
埼玉県生まれ。『ナシスの塔の物語』(ポプラ社)で椋鳩十児童文学賞、児童文芸新人賞受賞。日本児童文学者協会会員
川浦良枝[カワウラヨシエ]
1963年東京生まれ。武蔵野美術短期大学商業デザイン科卒業。デザイナー、イラストレーターとしてカレンダー、文房具などの制作を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なま
9
★5 オルテシア共和国とカザール自治連邦。莫大なエネルギー源の所有権を巡り両国で戦争勃発。共和国のはずれの荒れ地に暮らす貧しいノニ。戦争中で強制される中で古い遺跡に図書館を見つける。そこにあった『飛翔学』。かつて人間には翼があった。学びたくない教育を受けさせられ困窮する生活。戦争前は国家元首を市民が選ぶ自由があったのに諦めていいのか?恐ろしい事をするのも普通の人間。自分らしく生きるとは?裏切られ続ける中で人間を信じられるのか?飛翔を自由と読み解ける。この物語に真理がある。文学のピースウォーク。2021/12/28
どら母 学校図書館を考える
8
勤務先にて、下読み2017/12/04
りんふぁ
5
文学から平和を訴える的な。色々置き換えたりしてるが、思想の自由を翼に置き換えたのかな?もっとファンタジーなものかと思ったので、ちょっと思想誇示が強く感じた。悪くはないけどね。2016/08/31
菱沼
4
自由を求めた少年が、軍隊という枠に身をゆだねる安心感に絡め取られていく様子がよくわかる。「自分で考える」ことの大切さをあらためて思う。無限速度というのは、テレポーテーションと同じようなものなのだろうか。高度な電子技術を開発しているらしい国なのに、飛行機が作られていないのはなぜなのか。疑問も残るが、一気に読んだ。2016/08/15
Junya Akiba
2
「ナシスの塔の物語」の雰囲気がとても好きだったので、こちらも借りてみた。しかし、そのテーマは意外にも戦争。最後まで読むと、これは日本児童文学者協会が発足した「新しい戦争児童文学」委員会が刊行したものと分かった。なら仕方ないか、、、。少しSFチックなファンタジーで主人公ノニもとても素敵な本書、もっともっと話をふくらませて欲しかったなぁ~。2019/08/19