目次
第11章 コミンテルンの迷走(ディミトロフは「カーテン」の外に;世界大戦の開始。戦争規定の変転;新たな戦争規定。平和の主要な敵はだれか)
第12章 三九~四〇年のヨーロッパ戦線(ソ連の領土拡大作戦;ドイツの戦争体制への協力;フランス共産党の場合)
第13章 一九四〇年夏。スターリンとヒトラー(スターリン、勢力圏秘密協定の実施を急ぐ;ヒトラー。戦略の大転換を決定;三国軍事同盟。結成事情;ベルリン会談の準備)
第14章 ベルリン会談の深層(スターリンはモロトフにどんな指示を与えたか;ベルリン会談。何が議論されたか;スターリン、侵略国家同盟への参加を決断;ヒトラー、「バルバロッサ作戦」の準備命令を発令)
第15章 謀略のバルカン作戦(上)(ベルリン会談前後のディミトロフ;中国。蒋介石政権との抗争;日ソ中立条約とスターリン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひかりパパ
3
スターリンとヒトラーを学ばないと世界の現代史は理解できないことを痛感する。2016/11/04
yo yoshimata
3
一気に読みました、不破さんのスターリン研究。「大戦下の覇権主義」というサブタイトルが示すように、第二次大戦下のスターリンやヒトラーらの言明が克明に探究されています。それにしても、地球上に勝手に自国の勢力図を設定し、それを分け合う覇権主義の恐ろしさ。「満州国」やインドネシアへの日本の「権益」まで認めるスターリンの覇権主義者ぶり。ぞっとします。こういう秩序づくりが否定されたことが、20世紀の大きな進歩の一つだったことも思いを馳せたい。2015/05/23
kadoyan
2
後半、第二次世界大戦におけるスターリンとヒトラーの世界征服への野望への思惑のなかでの駆け引き。スターリンは、この野望のゆえ、ヒトラーのごまかしにだまされる。そんな野望的かけひきにひきずられる周りの国や側近はたまったものではないのではないか。しかしとうじのスターリン絶対体制にくみされた人物たちは、どうしようもない状態に。そのかけひきのなか、日本は三国同盟の一員として、世界戦略のために一肌ぬぐ役割も。スターリンの野望をとおしてだが、第2次世界大戦の全体像をあぶりだす、著者の労作。2015/08/27
浮草堂美奈
0
小説の資料に。2016/07/02
しんすけ
0
独ソ条約締結後の状況が語られている。本来なら、独ソ互いが確信し得る条約など締結できるはずは無かった。しかし、スターリンは自己の野望を実現するために共産主義を装った全体主義者だったのだ。納得することが不可能な多くの出来事が語られているが、ここでは本書最後の「晥南事変」に注目してみる。9000余人の中国人民革命軍が蒋介石のだまし討ちに合い殺されてしまった事件である。だが、スターリンは蒋介石から齎される報告にのみ関心を示し中国共産党を無視する。それは満州国をも自己の領分にと企むスターリンの野望によるものだった。2016/01/02