目次
第6章 巨悪への画期。変質の理論面での特徴(変質の過程をたどる;「大テロル」―決定的な変質;『ソ連共産党(ボ)小史』の発行
レーニン全集、マルクス・エンゲルス全集のスターリン的編集
「大テロル」後の世界の共産主義運動)
第7章 フランス・スペイン・中国(上)(フランスの場合―人民戦線政府への共産党の参加問題;スペイン内戦とスターリン戦略)
第8章 フランス・スペイン・中国(下)(中国。西安事変と抗日統一戦線)
第9章 スターリンとヒトラーの接近(ミュンヘンの衝撃;独ソ交渉の第一段階;英仏ソ三国交渉とは何だったか;ヒトラー、ついに動き出す;三国軍事会談。スターリンの采配ぶり)
第10章 独ソ不可侵条約。ポーランド分割(一九三九年八月の大転換;二つの覇権主義国家の政治同盟;ポーランドの分割から抹殺へ)
著者等紹介
不破哲三[フワテツゾウ]
1930年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひかりパパ
8
半藤一利さんはヒトラーとスターリンを理解しないと第二次世界大戦が見えてこないと述べている。◆本巻ではスターリンが社会主義とは対極にあるファシズムと手を結ぶ過程が描かれている。スターリンがファシズムと手を結んだのはバルト三国、ポーランドを手に入れるためであった。この頃のスターリンは領土拡大に執着する帝国主義者に堕落していた。◆もしスターリンがいなければ戦後の歴史は大きく変わっていただろう。2016/09/20
しんすけ
1
本巻では、以下の三つの話題に関心を持った。①中国共産党の抗日運動 ②スペイン内乱 ③ポーランド分割 コミンテルンに従わなかった中国共産党は革命に成功し、コミンテルンに従ったスペイン共産党は敗北する。コミンテルンの背後にスターリンが存在したからだ。今、世界の動向はファシズムを志向し、特に日本は顕著である。スターリンの亡霊が、未だ存在しているとしか思えない。2015/12/31
yo yoshimata
1
独ソ不可侵条約にいたる経緯は、両者による領土拡張の野望の醜さを浮き彫りにします。ここまでは雑誌連載でも感じたこと。本書を通して読んで学んだのは、スターリンが社会主義の理論を歪め、“魂”を投げ捨てただけにとどまらず、マルクスらの国際関係の原点とも言えるポーランドの独立、レーニンが外交関係のカナメにした「密約の破棄」、共産党なら当然あるべき党内民主主義ーーこれらをすべて踏みにじった“行動”の先にファシストとの同盟があったことです。スターリンの覇権主義は、“魂”も“行動”も社会主義の事業と無縁な者の帰結だという2015/02/22
浮草堂美奈
0
小説の資料に。2016/06/25