内容説明
美しいものに心ひかれるユキと、朝鮮からやってきたヨンホの物語。
著者等紹介
中川なをみ[ナカガワナオミ]
山梨県生まれ。『水底の棺』(くもん出版)で日本児童文学者協会賞受賞。日本児童文学者協会会員
舟橋全二[フナバシゼンジ]
神奈川県に生まれる。多摩美術大学デザイン科卒業。カナダ、アメリカに移住し、グラフィック等を手がける。切り絵手法によるイラストレーションをはじめ、壁画、立体造形などの分野でも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
31
明の商人を父に持つユキは、やがて伊万里の廻船問屋で働くようになる。その頃、豊臣秀吉の朝鮮出兵で連行されてきた朝鮮人陶工たちは、有田の地で陶器を作ろうと、懸命の努力をしていた…。父譲りのグローバルな視点と審美眼、商人の資質を持つ少女が、福岡・佐賀・長崎をかけめぐる。有田焼誕生までの歴史と絡め、さわやかな青春小説となっている。中川さんの作品では、同じく焼き物を題材とした『龍の腹』の方が読みごたえがあって好み。2015/08/01
たまきら
27
日本での磁器のあけぼのを楽しみめる、とてもさわやかな歴史小説です。単一民族であることを誇らしく思う、と言う人は、海外からの知識を柔軟に取り入れ、発展させてきた先人たちをどう思っているのでしょう。どの世界であっても、良いものを良いと言い、感じ取ることができる感性を持つ人たちが、あたらしい価値観を生んでいく。だからアメリカはここまで発展したのではないでしょうか。多様性は混沌としているけれど、努力する価値があるほど素晴らしい。自分はそう思っています。2020/10/21
あかつき号
12
淡々と描かれているが、主人公ユキの熱い思いが素直に伝わってきて、佳かった。有田焼の誕生のころの話だが、これに関わるユキは、5歳~60歳までの長いスパン。この長さを楽しみに温める事が私に出来るだろうか。地味な作品かも知れないが、励まされる作品。2016/09/08
杏子
11
中国人の父と日本人の母との間に産まれたユキ…母とともに生まれ故郷の博多を出て、伊万里に移住し、明国へ帰った父と道を同じくし、商人となる。やがて見つけた有田焼に将来を感じ情熱をそそぎこむ。世界の伊万里焼と呼ばれるまで、朝鮮人と日本人、皆が力を合わせて一つのものを作っていく、その過程こそが素晴らしい。子どもにもわかるように書かれた児童書だから。真っ直ぐに伝わってくる。2015/01/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
6
第41回青少年読書感想文コンクール 北海道指定課題図書 中学生2019/08/06
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