出版社内容情報
アベノミクスの「成長戦略」の歴史的な意味と、「四つの崖」に導く危険があることを解明し、日本経済再生の方策を考察する。
内容説明
「成長戦略」の歴史的な意味と危険性を解明し、日本経済再生の方策を考察する。
目次
第1部 アベノミクスと日本経済の二極化(アベノミクスの全体構造;アベノミクスで二極化する日本経済;「成長戦略」と「新自由主義」路線;安倍政権のもとで、差し迫る「日本経済の崖」)
第2部 世界と日本の資本主義―現状と変革の課題(世界資本主義の現局面をどう見るか;日本資本主義の現段階をどう見るか;日本経済の再生のために何が必要か―「成長戦略」に代わる「長期経済計画」の策定を)
補論 多国籍企業と国民経済
著者等紹介
友寄英隆[トモヨリヒデタカ]
1942年生まれ。1965年一橋大学経済学部卒、68年同大学院修士課程修了。前『経済』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
7
現代資本主義の状態とアベノミクスの影響と、結果について、たいへん勉強になりました。著者は、アベノミクスの構造を第一の矢「異次元の金融緩和」、第二の矢「大型公共事業のバラマキ」、第三の矢「財界主導の構造改革」だけではなく、第四の矢「消費税の増税」、第五の矢「社会保障制度改革」が全体像だと指摘します。参議院選挙の後は、第四、第五の矢が顔を出し、国民生活を苦しめています。そうした結果、大企業や富裕層は裕福に、庶民の生活は苦しくの二極化になると指摘しています。アベノミクスの本質にせまった良書です。2014/07/19
Masahira Takane
1
安倍内閣が「アベノミクス」をかかげてから1年余。その「成長戦略」が、国民の立場から見ると「四つの崖」(崖から落下するような危機)に導く危険があることを解明し、日本経済再生のために何が必要かを指し示す(月刊「経済」8月号広告より)2014/07/31
田中峰和
0
アベノミクスの成長戦略は歴代政権の中でも最も新自由主義的性格を強くもっている。戦後の復興計画から始まった「経済計画」が2000年を迎える前に終了し、新自由主義路線の影響から、市場任せの政権が続いた。そして2006年に「成長戦略」を打ち出したのが小泉政権。以来、各首相は成長戦略を出し続けている。今回の成長戦略は10回目であり、極めて供給サイドよりであり、小泉政権との共通性を批判する著者。大企業の経済成長に国民経済の発展を任せるトリクルダウン思想だが、国民の生活は窮迫するばかり。敵対する隣国と同じ状況は皮肉。2014/10/01
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