内容説明
ルイ・ボナパルトは有名なナポレオン・ボナパルトの甥。ブリュメールはフランス革命期に使われた共和暦の2番目の月で、ブリュメール一八日は伯父のナポレオンが1799年11月9日に軍事力で政府を倒して独裁権力を樹立したクーデタの日のこと。それから半世紀後に共和制が復活した時期、今度は、男子普通選挙で大統領に当選したルイ・ボナパルトがクーデタで議会を解散して軍事独裁体制をしいた。民主制を否定するこのクーデタを国民投票は圧倒的多数で承認した。どうしてそういうことが起きたのか?その謎を階級闘争、政権交替、諸政党の盛衰という激動過程を通して解明した本書は、史的唯物論の「適用のまったくすぐれた実例」「みごとな模範」(エンゲルス)となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
27
本著はエンゲルスによって史的唯物論のみごとな実例として推薦されています。この時代のフランスの社会背景を考えながら読まないと難しく苦戦しました。ただ、階級闘争の意義を学べたような気がします。史的唯物論を経済至上主義と勘違いしている場合もあるのですが、そうではなく上部構造である政治や文化などのありようが複雑に絡み合いながら社会はつくられているということなのだと思います。土台ー上部構造の理論をしっかりと学ぶ必要を感じました。また自由について述べられた部分もあり、ブルジョア的自由の意味をも考えることができました。2018/03/08
yo yoshimata
1
読み終えて分かったのは、「やっぱり何度読んでも、さっぱり分からない」ってことです。結論めいた部分はそれなりに分かるつもりでも、その例証たる事実経過がよくわからん。2014/01/16
aeg55
0
師の教示により、ルイボナパルトのブリュメール18日を読む さすがエンゲルスをしてイチオシの推薦図書 なぜ個人の不動産所有が進むと社会が破滅に向かうか、或いは、個人の起業が進むと社会の破綻へ繋がるか、が、理解できた 極めて「ナポレオン的観念」であるからだ さて、次はトクヴィルだ2016/12/18
sakesage
0
やはりこれは比類をみない名著です。政治機構というものはシステマチックになる意味で、ここから労働者階級が農民利害と同盟し権力を握ることでプロレタリア独裁の行政権を労働者農民の利害を優先して行使する意味が隠されている。レーニン生誕150年ということもあるので、官僚主義がはびこった教訓から今何が必要か改めて考えさせられる。2020/03/01
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