内容説明
地球上で最大級の生きもの、クジラとシャチの命をかけた攻防。最強のハンター・シャチに対し、母クジラは命を投げ出す覚悟で子どもを守ります―。
著者等紹介
本木洋子[モトキヨウコ]
東京都生まれ。日本児童文学者協会会員
高田三郎[タカダサブロウ]
1941年北海道生まれ。作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
詩 音像(utaotozo)
11
NHKドキュメンタリーの題材から絵本を描き起こすと言う画期的な作品。画風と題材とが素晴らしく合っており、大胆な筆運びなのに、写真のような写実性。ダイナミックな描写力。様々な色合いの青の美しさ。特に最終ページの、海中のクジラを真後ろから見た尾ひれのアップに静かなる雄々しさを感じる。一方、よく飼いならされ曲芸を見せる姿に慣れてしまっていたが、シャチの獰猛さに「キラー・ホエール(Killer Whale)」という渾名があるのを思い出した。2014/01/11
biba
9
読んでいて、NHKの番組で見た光景が浮かんだ。あの番組が絵本になったのか。鯨の知性を感じ、行動に涙したことを思い出した。もう一度あの番組が見たくなった。絵本も良かったけど、もとを知っているだけに・・・。2015/12/09
遠い日
7
夏のベーリング海には4万頭ものクジラが集まる。しかし、大きなクジラといえども、子どもを抱えた母クジラは天敵シャチとの攻防で大変な労力を使う。ハンターともいうべきシャチの執拗な攻撃も、生き抜くための行為。命と命のぶつかりあいだ。ベーリング海でこの時期におきる「アリューシャンマジック」によって、クジラは1年分の栄養を得るという。そのために、回遊してくるのだ。高田三郎氏の油絵は、青の濃淡も美しく、海の神秘と力強さを存分に描き出している。2013/12/20
mari
6
Nスペ監修とだけあって、クジラ対シャチの生命を維持するための決死の闘いが絵本になっているなんて、とても贅沢!映像を見ている気分になります。ある意味実話ですよね。2014/01/30
くまこ
5
「ドキュメンタリー番組の絵本化ね。直接的な戦いの場面をやわらげて描写してるのが印象的だったわ」「子クジラは動かなくなりました、とかね。小さい子も読むし、残虐な場面や、シャチを一方的に悪役にするような描き方を回避しているところが良かったね」「絵は、ベーリング海の青がきれいだったね」「うん、そうなんだけど、文章の活字の色が見にくいページがあって残念。濃い藍色に白い字は見やすいけど、青に黒い字は、かなり目が疲れるから、大人が読んであげるしかないかな」2014/04/16