内容説明
「公害の原点」と言われる水俣病。何十年もの時間をかけて、海も、生きものも、そして人びとも元気をとりもどそうとしています。水俣湾にうかぶ無人島の恋路島は、ずっと見守ってきました。恋路島がかたる、水俣の海のお話―。
著者等紹介
尾崎たまき[オザキタマキ]
1970年熊本市生まれ。広告スタジオに入社し、独学で水中写真に取り組む。2000年、本格的に水中写真に打ち込むため上京し、水中写真家・中村征夫氏に師事する。2011年よりフリーとして独立。現在は、水俣をはじめ、動物愛護センター、三陸の漁師たちなどをライフワークに追い続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
69
写真絵本。水俣湾に浮かぶ無人島《恋路島》の語る海の姿。熊本弁、読み聞かせ10分▽水俣病が公式に確認されたのは1956年、しかし1968年まで工場排水は流し続けられた。汚染魚やヘドロが埋め立てられ、1974年に湾から魚が出ないように仕切り網が設置された。23年間「汚い海」は網で仕切られた▽人間の身勝手で汚された海。海の生き物は帰ってくるのか、再生の物語を美しい写真でつづる。2013年刊2024/01/26
退院した雨巫女。
9
《図書館-新刊》水俣の海が、元の穏やかな海に戻ることを祈ってます。だいぶん、海綺麗になってきたなあ。2013/11/22
いっちゃん
6
みな また、みな また、水俣のことやったんか。まるで放射能のように、辺り一帯に水銀があふれ、汚染されていた…。まだ習っていないのか、子供たちが知らなくてびっくりした。2019/08/08
punyupunyu
2
水俣病。水銀汚染にさらされ、人間に翻弄された海は、ゆっくりと時間をかけてしたたかに回復してきた。自然の力強さを感じるが、人が招いた災害がもたらした差別には憤りを感じた。自他ともに共存共栄が一番ですね。2013/09/22
Yuko
1
水俣病発生から半世紀以上。水銀で汚された海はどう変わり、今どうなっているかを、水俣湾に浮かぶ恋路島を語り手として温かな水俣弁で綴る。何十年もの時間をかけて、海も、生きものも、そして人びとも元気をとりもどそうとしている。命めぐる海のたくましさや、海の再生に励まされる水俣の人たちの姿と重ねて、福島の汚染が広がる海を思わずにはいられない。何十年かけて取り戻せるのか・・・。 2014/03/09