内容説明
ほんとうの強さって…、ほんとうのやさしさって…。戦争はすべての生き物の命を犠牲にするんだね。
著者等紹介
今西乃子[イマニシノリコ]
1965年大阪府生まれ。NPO動物愛護社会化推進協会理事。『国境をこえた子どもたち』(あかね書房)で産経児童出版文化賞推薦、『ドッグ・シェルター』(金の星社)で日本児童文学者協会賞受賞
加納果林[カノウカリン]
愛媛県生まれ。東京造形大学彫刻科卒業。いきものや自然をテーマに、絵画、立体作品など制作する。個展多数開催。「CalinBell」より絵本などオリジナルグッズを展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瑪瑙(サードニックス)
45
ひな子ちゃんが力丸を散歩させている時に出会ったおばあさんから聞かされた、戦争中の悲しいお話。実際にモデルになった方がいらっしゃるとの事。軍の為に軍用犬として差し出された話は聞いた事がありましたが、まさかのお話に絶句してしまいました。なんて酷いことを…。絶対に戦争なんてするものではないと思いました。人も動物も皆不幸にしかなりません。【戌年に犬本を読もう】18冊目2018/05/27
はっぱ
36
本当に、戦時中この様な事が行われていたのだろうか。平和な世の中では考えられない様な事。狂気の沙汰としか思えない。戦争は、人間を狂わせる。可哀想なのは、罪のない愛しい命。おばあさんの言った、「だれかをきらいになるより、すきになったほうがみんなしあわせになれるんだよ・・」の言葉が深い。「やさしい心を持ったものが、一番強いんだ」2015/11/18
る*る*る
36
戦争・平和 / 動物愛護 / 思いやり 。モデルとなったおばあさんの『ムツとわたし』も読まなければ。沢山読みの練習をして、読み手が涙しないよう、心して読み聞かせします。中学年以上へは伝えたい本当の話。2015/09/13
かいゆう
31
戦時中犠牲になった動物と言えば、『かわいそうなぞう』を思い出す。あれは、猛獣が逃げ出して危害を加えるのを未然に防ぐ為の命令だった。それでも酷い。この本で取り上げられているのは飼い犬。兵士たちの防寒具や食料になったと初めて知った。家族なのに、差し出すしかなかった飼い主さんの気持ちを思うとたまらなくなる。生きている命なのに、なんて事をするのだろう。少し調べてみたところ、大正時代から野犬を捕獲し、同じように使われていたことか分かった。関連本を見つけたので読もうと思います。2015/12/26
わむう
20
反戦絵本。戦時中、民間人の飼い猫や飼い犬を毛皮のために軍に供出するよう命令が出ました。この物語は飼い犬の富士を泣く泣く供出させられた、おばあさんの回想を基に描かれています。何十年経ったって富士に似た犬を見ると泣いてしまうおばあさん。富士を置いていかなければいけないシーンでは公立図書館で読んでいて周りに人がいたにも関わらず涙が止まりませんでした。献納運動に大切な犬を奪われた椋鳩十さんの「マヤの一生」を思い出しました。 2018/11/21