内容説明
日清・日露戦争とつながる現代。司馬さんと考える「大日本帝国」の歴史と21世紀。
目次
プロローグ 二一世紀に生きる君たちへ―司馬さんのメッセージの意味
1 幕末維新の「苦味」
2 「坂の上の雲」の語る「明治日本」と近代史
3 「坂の上の雲」と日清戦争
4 「坂の上の雲」と日露戦争
5 加害者としての「大正日本」と「昭和日本」
6 戦後日本の希望が歴史を見る眼を育てた
エピローグ 二一世紀の日本とアジア
著者等紹介
原田敬一[ハラダケイイチ]
1948年岡山市に生まれる。1982年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)(大阪大学)。専攻は日本近現代史。現在、佛教大学歴史学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
欠陥ビーバー
1
「大東亜戦争」を論じる本で描かれているのは、日本は強制的に開国を迫られ、白人の植民地化を防ぐため大国ロシアと戦い、有色人種として歴史上初めての勝利を納め、その勢いでアジアを統一しようと世界と戦った、という英雄的な視点でした。ここで長年の疑問だったのが、なぜアジアを統一しなければいけなかったのか?ということ。要は資源獲得と軍閥の暴走を正当化するための詭弁だったと。本書を読んで心から腑に落ちました。借金しながらアジアを占領しまくって調子に乗っていた帝国日本。端から見たらただのチンピラ。そりゃボコられるでしょ。2019/06/05
una viola
1
日本史にはあまり興味がなかったんだけど、「坂の上の雲」をNHKドラマで見て、興味がわき読んでみた作品。 一見「司馬遼太郎」批判かな?って思ったけど、読み進めたら、違っていた。欧米に目を向けてばかりいる日本人の思考、意向、羨望?にはいい加減見切りをつけ、アジアに目を向けるべきだという意見には、強く同調したいものだ。2012/02/12