内容説明
戦争は悲惨、でも平和はユートピアか!?小田島シェイクスピアの21世紀的読み方第2弾。
目次
1章 シェイクスピアが描いた戦争と人間(戦争は悲惨である;戦争のヒロイズム、そのパロディー;シェイクスピアの平和観―それはユートピアか? ほか)
2章 台詞の中の戦争・平和学(ああ、女の皮をかぶった虎の心!(ヘンリー六世・第三部)
私にはどんなにしあわせと思えることか、貧しい羊飼いにすぎぬ身の上で暮らすことが!(ヘンリー六世・第三部)
人間は、悪事をおこなうための道具を目にすると、つい悪事をおこないたくなるものだ!(ジョン王) ほか)
3章 戦争体験の原点とシェイクスピア(「五族協和・王道楽土」の中心地で;戦後日本で「戦争」の実相を知る;再び“もしも”の偉大な力)
著者等紹介
小田島雄志[オダシマユウシ]
1930年旧満州・奉天生まれ。東京大学名誉教授、東京芸術劇場名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
28
英文学研究者F・ケベック@独ミュンスター大学が刺激的な書籍を出版した。その内容は、シェイクスピアの「リチャード三世」や「ヘンリー六世」を下地にM・ウォルツアーに引き付け正戦を論じる。先行研究を探す中、本書と出会う。著者は「戦争が人間的なもの」とし、王の理想=名誉に重きおく正戦を、シェイクスピアは強烈なパロディで非正戦に戻す、と論じる。曰く「戦争には一番後から宴会は真っ先に、これが腰抜け武士と食いしん坊の守る掟だ」と。実際の演技を見たい。さて、F・ケベックはカズオ・イシグロ分析でもユニークな視点を提供する。2021/01/04
yo yoshimata
3
読み物としても面白かったです。シェイクスピアにお近づきになれた気もするし。2015/11/12
半色
3
シェイクスピアの作品は手にとったものの挫折していたけれど、もう一度読みたくなった。
rikoyy
3
シェイクスピアとは別に、小田島氏の戦争体験、学生時代の話を興味深く読みました。シェイクスピアのいろんな台詞、その物語をどうとらえるか、というのは観る側の経験にもゆだねられています。2010/12/18
四葉
2
「ヘンリー五世」を読み始めたものの、人名、歴史背景が連なる長台詞に頭はフリーズ寸前…ここは一旦引いて、そもそもシェイクスピアは何を描きたかったのか少しでもヒントを探るために出会ったのがこの本。もちろん他の歴史劇(ヘンリー六世、ヘンリー四世など)からの引用も多くあるが、歴史と戦争は切っても切り離せないゆえに、それらの台詞の数々からシェイクスピアの戦争観が浮かび上がってくる様子は非常に興味深かった。今は「ヘンリー五世」を読みたくて仕方がない笑。熱冷めぬうちに戻るとしよう、あの悩ましくも雄々しい王に会いにー2018/04/08
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