内容説明
「世界中の人がみんな“シェイクスピア好き”になったら、この世界から戦争が消えるでしょう」。小田島シェイクスピアの21世紀的読み方。
目次
1章 21世紀に生きるシェイクスピア(一歩引いて見る目の大切さ;「もしも」には偉大な力がある ほか)
2章 シェイクスピアの人間観・歴史観の形成(ルネサンス期の人―神から人へ;「見せかけと真実」の原体験―幼年期と少年期 ほか)
3章 ゲーテ、トルストイ、マルクスが読んだシェイクスピア(ゲーテ―舞台は彼の偉大な精神にとっては狭すぎた;トルストイ―あまりに不自然すぎる ほか)
4章 日本でのシェイクスピア―私的受容史(義理・人情とシェイクスピア;自分の感性で自由に読む―東大闘争をへて)
5章 台詞の中の人間学(どんなに荒れ狂う嵐の日にも時間はたつのだ。(マクベス)
顔を見て人の心のありようを知るすべはない。(マクベス) ほか)
著者等紹介
小田島雄志[オダシマユウシ]
1930年旧満州・奉天生まれ。東京大学名誉教授、東京芸術劇場館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モンとブラン
4
シェイクスピア全戯曲翻訳するなどのシェイクスピア馬鹿である小田島雄志。シェイクスピア愛もここまでくれば呆れ返りもはや天才なのでは。リアリズムとユーモアを持ち、知識も容量もない私に優しく語りかけてくれる彼こそがシェイクスピア公認のセールスマン。 おおよそ時をこえ死後も語り継がれるものがある。50年以上愛している彼がシェイクスピアを卒業していないのは、今を生きているからであろう。2014/10/21
takakomama
3
著者の講演が元になった本。シェイクスピアの作品の登場人物は、感情豊かで、生き生きとしています。2020/02/29
こたつ
3
「1万人の感情を持つ」と言われたシェイクスピア作品には、全部で約1000人の登場人物がいるそうです。ということは、1人あたり10の感情を戯曲で表現しているということになるのでしょう。シェイクスピアは「こうあるべき」という主張はせず、人間や世界はこういうものだ、と描いただけとのことですが、だからこそ時代を超えて読まれるのだなと思いました。シェイクスピア作品はだいたい読みましたが、本当にいろんな人間がいて、何より台詞が面白い。2016/04/26
はたけ
2
さすが、「自称 シェイクスピアのセールスマン!」という感じの本です。シェイクスピアというと、堅苦しい、難しいというイメージがありますが、それを崩して誰でも楽しめる!!!と全力でシェイクスピア作品の魅力を教えてくれます。なかなかここまで優しくシェイクスピアの説明をしてくれる本は少ないので、本当にありがたいです。色々なシェイクスピア作品を読んでみたくなる1冊。2016/10/12
MaRuTaTSu
1
「そのシェイクスピアの芝居から、いま私たちが学びとるうえで重要なのは、会話能力、コミュニケーションの問題ではないでしょうか。 我々も自分中心でいきています。親子なら、自分が親であれば、子どもは自分が生んでここまで育ててやったと対するし、子どもの側からすれば生んでくれと頼んだわけじゃないという気持ちがある。→2018/12/07
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