内容説明
まあちゃんとふたりでみた神戸の海。光が飛び散り、まぶしくきらめいていた。(まあちゃん、海だよ)震災の日から、レイはどれだけまどかに語りかけたことだろう―。あの日から10年。忘れんといて、阪神・淡路大震災のこと、私が大好きだったまあちゃんのことを!震災でかけがえのない親友をなくした少女がたどる心の旅。小学校中・高学年向。
著者等紹介
中川なをみ[ナカガワナオミ]
1946年山梨県に生まれる。「水底の棺」(くもん出版)で日本児童文学者協会賞受賞。日本児童文学者協会会員。大阪府在住
石倉欣二[イシクラキンジ]
1937年愛媛県に生まれる。東京芸術大学卒業。「たなばたむかし」(ポプラ社)でサンケイ児童出版文化賞、「おばあちゃんがいるといいのにな」(ポプラ社)で絵本にっぽん賞、「空ゆく舟」(小峰書店)で赤い鳥さしえ賞など受賞多数
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
17
阪神淡路大震災で大切な友だちを喪ってしまった主人公です。 その後失語症を克服して平穏な自分を取り戻していく、物静かな物語です。 でも、ドラマチックではない分、静かに染み入るお話です。 阪神淡路大震災の後も幾つもの災害がありました。 災害と言わなくても、事故や事件で、人の生き死にに遭遇した人は数知れずいます。 生き残った者は生きている限り、失ったものを背負い続けていくのだと感じました。2018/12/22
読書国の仮住まい
3
レイはお気に入りのワンピースを身につける。 二学期から神戸の学校に転校してきたその初日の登校のためたわ。 しかしその服装からクラスの女子から嫌われてしまい、一人ぼっちになる。 そこに声を変えてくれたのがまどかだった。 彼女に誘われ日曜日に武庫川へ向かう。 そこの河川敷に咲くコスモスを見えたかったという。 しかし年が明けて、あの大震災が街を襲う。 家が潰れてまどかは天国へ旅立った。 声と涙を失うレイ。 しかしおばあちゃんの言葉に新しい一歩を踏み出す。 死んだ人も、生き残った人も新しく生き直さければならない。2022/11/25
ヒカリ
0
娘の推薦。阪神・淡路大震災で親友のまどかちゃんを亡くす。子どもも大人も辛い悲しみをなんとか乗り越えている。平凡な現実に不満なんか言ってちゃダメだなと。2016/11/27