内容説明
アウシュヴィッツで見たドイツ現代史の光と陰!改革と大国主義が交差し、日本と比較されてきたドイツの戦後史。統一後十余年、ヨーロッパの大国の行方をさぐる。
目次
プロローグ ドイツ現代史への「私の想い」
第1章 ワイマル民主主義はなぜ短命に終わったか―「内」からの崩壊(「ワイマル」の序曲とその「好感度」;だれからも愛されなかった民主主義 ほか)
第2章 権力へのナチスの道とホロコースト(ナチス・イメージの変転;ナチスにおける「権力の条件」 ほか)
第3章 戦後ドイツの二つの顔(ドイツと日本の戦前・戦後;戦後再建期西ドイツの「二つの顔」 ほか)
エピローグ アウシュヴィッツに立って
著者等紹介
望田幸男[モチダユキオ]
1931年山梨県生まれ、京都大学大学院博士課程修了、ドイツ近現代史専攻、同志社大学名誉教授、文学博士
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感想・レビュー
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tellme0112
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ドイツの歴史に学ぶものがあるのでは、現代の日本の政治と絡めて、と思っていたらドスとライクな本だった。「…あかたもドイツは大統領から庶民に至るまで国を挙げて「過去の反省」に取り組んでいるかのような印象を与える。しかし実際には、こうした流れに対する「逆流」も顕著である。むしろ、二つの流れの葛藤の中にドイツは立っている、と見るべき」。ナチスイメージの五つの時期が興味深かった。日本の選挙前後で言うこととやることが違う政党があることと比較して。2013/08/12
ろーじゃ
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ドイツ→ナチスによる徹底した侵略(加害意識) 日本→アジアへの侵略と米国の原爆投下(加害・被害意識の混在)や、国家としての連続性の違いが、反省の仕方に違いを生み出しているというのが著者の主張。 「ドイツの鏡に映る日本」というサブタイトルのせいか、ドイツの反省を持ち上げる箇所も若干見受けられました。偏っているとまでは言いませんが。2012/09/15