内容説明
本巻には、「貧しき人々の群」ほか11編の小説を収録。
感想・レビュー
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かし
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宮本百合子全集〈第1巻〉所収の「貧しき人々の群」を読み終えた。著者の初めての小説、そしてその後の宮本さんの生き方をさし示す作品。私自身、宮本さんの作品を初めて読んだ経緯は、ラジオで宮本さんの短編(名前は忘れてしまったが)を聴いて、朗読者の落ち着いた声も影響したのだろうが、なぜか胸に残った。同時並行読みの習性から、図書館で全集の一巻を借り、巻頭の作品を読んだ。百合子の祖父中條政恒の安積開拓、彼女が過ごした福島県郡山の開成山に住む祖母宅での少女時代の記憶など。地域の歴史を少女の視線、感性で描かれている。2021/10/17