内容説明
国家が寄って立つべき基本法が、これほど軽くあつかわれ、無視されて良いのだろうか。憲法とはそもそもなんだろう。近代憲法の成り立ちから、日本の憲法の歴史と特徴、憲法のすべてをとらえ直す。
目次
1 憲法とは何か(国家権力のコントロール;人権の保障 ほか)
2 近代憲法の世界史(アンシャン・レジームと旧憲法;市民革命と憲法 ほか)
3 日本の憲法史を考える(明治憲法の成立;明治憲法の本質 ほか)
4 憲法の現状(占領と憲法;恒久平和と戦争放棄 ほか)
著者等紹介
長谷川正安[ハセガワマサヤス]
1923年生まれ、東京商科大学(現一橋大学)卒業。憲法学者、名古屋大学名誉教授
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
25
憲法を考える三要素は、国家、法、社会。言い換えると、権力、法、人とのことである(20頁)。つなげると、権力者を縛るルールともいえる。これを改悪することしか考えないのでは、国民として今日1日考えることがある。6日にどさくさ紛れに何をするか。社会的弱者の人権問題は社会進歩とともに深刻。法が、社会的不平等を解消するためのものでなければならない(46頁)との指摘は説得力がある。ルソーの『人間不平等起源論』とロックの『統治論二部』にそっくりの叙述があるとのこと(74頁)。2021/05/03
Junichi Wada
1
著者の思想に多少左右されている内容である。また、憲法史の部分にて西洋の市民革命期の歴史的背景から近代憲法の成り行きが書かれているが、西洋史を選択していないため非常に難しくその部分はパス。 大日本帝国憲法との比較は、明治憲法を十分知らなかったこともあり面白い内容であった。 2008/08/24
おめるた
1
憲法について。憲法とはこうだ!という確かな断定はしない。憲法が憲法であるための三要素を挙げて説明した後で、近代憲法史、そして、日本の憲法の歴史、現状を見ていく。時代は変わる。憲法はどうなるのがいいんだろう?と、考えさせられた。2010/11/16