内容説明
社会の見方の基本点を簡潔・明快に定式化した『経済学批判』の「序言」。経済学の基礎カテゴリーを詳論し、経済学の方法を論じた「序説」―『資本論』へと向かう経済学研究の道程で執筆され、史的唯物論と経済学を理解するうえで重要な意義をもつこれらの文献を、新メガを底本に訳出。エンゲルスの『経済学批判』書評、経済学の方法に関わる書簡を併収。
目次
『経済学批判』への序言・序説(序言(『経済学批判』への)
序説(『経済学批判要綱』への))
付録(『経済学批判』(第一分冊)への書評(エンゲルス)
経済学批判の方法にかんする手紙(マルクスからラサールへ(一八五八年二月二二日)
マルクスからラサールへ(一九五八年三月一一日)
マルクスからエンゲルスへ(一九五八年四月二日)
エンゲルスからマルクスへ(一九五八年四月九日)
マルクスからラサールへ(一八五八年一一月一二日) ほか))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
22
本著は、マルクスが剰余価値論の骨格を構築し史的唯物論の立場を明確化することによって、社会主義を科学へと変えた重要な意義を持つものです。ヘーゲルの弁証法を継承しつつ、批判的にのりこえ、法的関係や国家諸形態は、それ自体から理解されるものではなく、また人間精神の一般的発展から理解されるものでもなく、物質的な生活諸関係に根差しているのだと述べるマルクスの思想は、社会問題がなぜ起きるのかなど社会科学を考えるうえでとても重要だと思います。「ブルジョア社会(=資本主義社会)の解剖は経済学のうちに求めなければならない」2015/11/14
無識者
14
個別具体から一般へと分析してくべき。法的枠組みや国家諸形態といったものは経済基盤によって制限され、経済は個々の人々から構成されている。…わかったようなわからないような…後半の付録では手紙がいくつか納められており、マルクスの資本論を書き上げなければならない焦りのようなものが強く感じられます。2016/03/07
Akiro OUED
3
社会の経済的構造という土台の上に法的かつ政治的社会構造がそびえ立つ、という有名な一節を目撃。生産ー分配ー交換ー消費ー生産という循環過程において、隣接する行為が互いに規定しあっている。今は「分配」がこの循環過程を支配してるけど「交換」も台頭中だ。エンゲルスの書評が平明で良い。2023/01/03
Sym
2
序言を読んだ。唯物論について理解が深まった。時間をあけてもう一回じっくり読みたい。2017/01/09
Taira Sasaki
1
本書は「『経済学批判」への序言・序説」とエンゲルスによる『経済学批判』への書評、そして『資本論』発刊に関わるマルクス・エンゲルスの書簡が収録されています。「序言」は読んだことがある(短いので)のですが、「序説」は今回が初めて。雑誌『経済』での不破氏の連載も受け、一度読んでおかねばと手に取りました。こう言っては失礼だが思いの他面白い。経済学研究を「発生論」的に仕上げてきたマルクスの問題意識がヘーゲル哲学ともかかわって展開されるので非常に読み応えがある。一度読んでおいて良かった。2019/08/29
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