内容説明
核エネルギーが発見されて100余年、各分野での応用が進み、私たちの生活の間近に迫ってきている放射能。分かっているようで分からない放射能の基礎知識から、核兵器、原発までを徹底解明する。
目次
1 放射能の発見
2 放射線障害の発見
3 放射線と放射能の基礎知識
4 放射線の人体影響と防護の基礎知識
5 核兵器の放射線と放射能
6 原子力発電の放射線と放射能
著者等紹介
野口邦和[ノグチクニカズ]
1952年千葉県生まれ。東京教育大学大学院理学研究科修士課程修了。現在、日本大学専任講師。同大学歯学部放射性同位元素研究室。理学博士。日本科学者会議事務局長。原子力問題情報センター常任理事
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感想・レビュー
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nagata
1
筆者の立場はおそらく反原発とか反核兵器なのだろうが、論じる、というよりも「放射能」にまつわることについてこれでもか、と掘り下げて緻密に説明しないと気が済まない、という感じの内容。それだけに、数式などもお構いなしに飛び交うのだが、専門的、という難しさよりもこういった前提で様々な線量値や規制値などが算出されているのかがつかめるようになっている。これから日本に起こりうる放射能との付き合い方を考える際に、ここに書かれている内容はもはや必須の智慧となっているのだろう。2019/01/27
おおにし
1
2001年刊。反原発の立場で書かれた本ではないが、高速増殖炉の目処が立たないのに使用済み燃料の全量再処理を推進する原子力政策については「世界に類例のない”奇怪な”政策」と批判している。プルサーマルの危険性についての指摘もあり、今読んでもしごく真っ当な内容。このような日本の原子力政策についての大きな課題が今までまともに議論されてこなかったことが残念でならない。2011/06/09
uburoi
0
あくまでも知識として発見の歴史からはじまって放射能の性質や利用方法につてまとめたもの。このぐらいのことは最低知っておきたいということがコンパクトに書かれている。といってやさしい解説書ってことでもない。そこがいい。2012/09/02