内容説明
空がほのかに赤くなり、むらさき色のすじ雲が流れる。夜明け前。少年は海にもぐった。きっとジュゴンがいる―。
著者等紹介
宮里きみよ[ミヤサトキミヨ]
1949年沖縄に生まれる。作品に「ゆい子のゆうき」(汐文社)がある。日本児童文学者協会会員
ふりやかよこ[フリヤカヨコ]
降矢加代子。1946年山口県に生まれる。絵本に「まちこちゃん」(ポプラ社)、「おばあちゃんのしまで」(文研出版)、さし絵の仕事に「地球が動いた日」(新日本出版社)、「ふたごの魔法つかい」シリーズ(童心社)他多数。日本児童出版美術家連盟所属
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感想・レビュー
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ベル@bell-zou
24
戦争で荒んだ海と人の心。長い年月をかけ美ら海となった沖に、神の使いジュゴンも帰ってくるが…。2001年2月 宮里さんのあとがきに心が痛む。“国内で初めて野生のジュゴンの撮影に成功した場所。辺野古漁港の約一キロの沖合。米軍基地建設予定地”、と。人間は自ら元通りにできないものを平気で壊す。海も自然も地球も、誰かのものではないのだ。海ン人の言葉「守るというのは、人間が、いらん手をつけないこと」。2019/01/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
戦争が終わった年の沖縄の海には魚も貝もいなかった。ある日、親子のザンヌユウ(ジュゴン)を見つけ、漁をし食べてしまう。海の神の使いのザンヌユウを食べてしまいそれから長い年月、ザンヌユウの姿を見た者はいなかった。おじいからこの話を聞いてきた少年は、ある日おじいと漁に出てザンヌユウを見かける…。1998年1月、テレビ局のスタッフが、国内で初めて野生のジュゴンの撮影に成功。その場所は名護市辺野古漁港約1キロの沖合。ジュゴンが戻ってきてくれたところに、米軍基地はいらない。2021/09/09
matumoty
0
「ザンヌユウ(ジュゴン)がわしらをゆるしてくれたのか。ありがたいありがたい」おじいの言葉がしみますね。「守るというのは、人間がいらん手をつけないこと」...ほんと、そういうことなのでしょう。壊したり保護したり、人間がいらんことする、ということ。2021/05/06
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