内容説明
「日本人民と天皇制との最初の正面衝突」=「大逆事件」によって“国賊”として抹殺された幸徳秋水。自由民権運動を継承し、わが国の社会主義運動の先駆者として疾走した生涯に新たな光をあてる。
目次
「大逆事件」の“首謀者”
幡多の神童
“東洋のルソー”との出会い
「自由党を祭る」―19世紀から20世紀へ
「団々珍聞」茶説
天皇制という難関
社会主義入門と『廿世紀之怪物帝国主義』
『社会主義神髄』
週刊「平民新聞」と『共産党宣言』の初訳
「非戦論」をやめず
裁判責めと週刊「平民新聞」の終刊
サンフランシスコの大地震
「余が思想の変化」
分派闘争と『麺麭の略取』の秘密出版
「赤旗事件」とアジアの革命運動
平民社の落城
「大逆事件」の26被告
刑法第73条の裁判
獄中からの手紙
『基督抹殺論』と秋水抹殺
「大逆事件」への国際的反響
徳冨蘆花「謀叛論」
再審請求裁判
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
2
ときどきこの人には絶対敵わないと思う人がいて、幸徳秋水もその一人である。本書は、神童と呼ばれた彼の生い立ちから、長じて社会主義に共鳴し、平民社を創設して「平民新聞」を発刊するなど盛んに文筆活動を行い、後に無政府共産主義に傾倒して当局にマークされ、遂に大逆事件の首謀者に仕立てられて逮捕、死刑に至るまでを、彼の思想を伝える多数の文章とともに綴っている。彼の文章はすごい。漢語調の力強い文体と同一構文の反復により、畳み掛けるようにこの世の矛盾を告発する独特の文章は、読む者の心を熱く揺さぶる強烈な魔力を放っている。2013/06/15
かたやなぎ進(片柳)
0
大分前に読んだ。熱い!2014/07/24