内容説明
私たちは、いま、日本が直面している世界史の現実を科学的にとらえ、軍国主義・帝国主義のみちに奉仕する「日本文化」論に立つ教育改革論、とくに大国主義的「国際コミュニケーション能力」「地球的人類的視野の中での人格形成」論をきびしく批判し、のりこえねばなりません。この書は、「日本文化・個性」論、「日本文化の継承による日本人としての自覚の形成」という論、さらに「国際社会に貢献する『世界の中の日本人』」論の反動性、その本質を明らかにしてみよう、としたものです。
目次
第１部 臨教審「世界の中の日本人」論批判（「２１世紀のための教育の目標」―教育基本法を乗っとるもの；「世界の中の日本人」の「精神」；「世界の中の日本人」の「能力」；「世界の中の日本」戦略構想と臨教審）
第２部 臨教審「日本文化・日本人」論批判（二つの「日本文化・日本人」論；山崎、梅原論のめざすもの；「日本的仮面」を捨て「西洋化」を―山崎正和「文化開国」論；「日本文化の個性」と「新しい心の教育」論―梅原猛「神道教育」論；「日本文化・世界の中の日本人」論の破綻―真の国際的人類的視野の中での人格形成を）
