出版社内容情報
楊名時二十四式「健康太極拳」の創始者による「心を重視する」活字が中心の本:復刻版。太極拳のそれぞれの稽古にはどのような意味があり、どのように行ってゆけばよいのか、その「理論」と「実践」を丁寧に言葉で解説していく。太極拳を学ぶ人、さらに、指導者であれば何度も読み、自らの血肉としておきたい楊名時の残した貴重な作品。
内容説明
健康であってはじめて健全な、ゆとりのある考えが生まれ、他人のことにも思いを馳せることができる。だから、極論すれば、洋の東西を問わず、健康な人間が増えれば増えるほど、やがては世界の平和に通ずる道といえるのではないだろうか。
目次
鑑真和上(鑑真和上像の招請;千載一遇の盛挙 ほか)
稽古要諦(顧留馨先生との交流の旅;顧先生にいただいた資料 ほか)
太極拳経(『太極拳経』のこと;原文 ほか)
行雲流水(鶴の舞;気功 ほか)
人生哲学(自力更生;文武不分 ほか)
著者等紹介
楊名時[ヨウメイジ]
1924年、中国山西省五台県古城村生まれ。幼少の頃から太極拳ほか中国武術を学び、官費留学生として日本に留学。京都大学法学部政治学科卒業後、東京中華学校校長を経て、大東文化大学などで中国語を教える。1960年、楊名時八段錦・太極拳を創始。大東文化大学名誉教授、中国山西大学名誉教授、日本空手協会師範、空手七段。特定非営利活動法人日本健康太極拳協会(楊名時八段錦・太極拳友好会)最高顧問。2005年7月3日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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茶幸才斎
3
筆者が太極拳を心身の健康法として日本で普及に努めて20年を経た1980年の著作であり、関係者の尽力によりたびたび復刊されてきた本。型や動作の話ではなく、主に太極拳の背景にある物事の考え方や練習を続ける上での心構えについて解説する一方、太極拳を通じた日中の交流行事に参加した筆者自身の所感などが綴ってある。均一な世界から生じる動と静、陰と陽、虚と実、柔と剛などの二項対立。それらのバランスに留意しつつも、重要なのは自然体であること。無理せず、力まず、目指すのは謂わば竹のしなやかさか。大変共感できるいい本だった。2020/09/12