内容説明
教科書には載らない歴史??たとえば、朝廷に逆らう勢力として『古事記』に登場する「荒らぶる神」や「伏わぬ人々」の朧げな姿をできる限り追究し、鬼や妖怪、山人や山伏・巫女・遊女・傀儡子・渡世人・忍者など、天皇を頂点とする「表の世界」の外に位置していた陰の側の住民の足跡を追う。
目次
鬼の長者―古代産鉄民はどこへ消えたのか?「鬼退治」譚に隠された真相に迫る
河童と怨霊―正体は河童だった?のちに神格化される道真の怨霊と、その演出者たち
「猿」という暗号―全国に残る小町伝説。歴史上の「猿」と忍者・秀吉・日光を結ぶ小野氏の影
鬼の王国―「鬼の法王」道鏡…。南北朝から戦国へ、歴史の闇から蘇る「鬼の王国」
独眼の神々―「ひょっとこ」と山本勘助の出自が物語る一目という特徴と産鉄民の影
東の傀儡子と西の遊女―源平の争乱の影の立役者として暗躍した傀儡子の正体に迫る
忍者の源流―江戸時代には盗賊や遊女屋、古着屋となった忍者の正体を探る
博徒の本地―江戸時代の博徒は漂泊できなくなった「鬼」の末裔である
天狗奇譚―山伏の装束で顔が赤く鼻の高い姿形の天狗と反体制的な鬼との関係を考える〔ほか〕
著者等紹介
水澤龍樹[ミズサワタツキ]
1957年(昭和32)生。群馬県出身。群馬大学教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七澤
1
普段怪談ばかり読んでるから、こういった切り口は新鮮で面白かった!2023/02/24
コオロ
1
鬼の正体は製鉄と鉱山に関わるアウトサイダーであるという説にこだわった本。話半分に読んでいたが存外にしっくりくる説もある。「~ではないだろうか」で〆た話が、次項で根拠として扱われ、仮説に仮説が積み上げられていくMMRテイストを久々に堪能できて良かった。2022/07/16
Junichi Watanabe
1
読了。律令制の外にいる人間を鬼もしくは鬼と関係性があるとした論。あながち間違いではないと思う。構成としては他からの引用が多く筆者のこじ付けなのでは?と思う所がある。2021/04/25
出口求
1
切り口が面白い!立ち読みして即購入を決定した本。鬼、忍者、天狗等日本の神話や昔話に登場する「異形の者たち」の正体とは一体なにか。それは実は単なる空想ではなく実在した、歴史の表舞台に出る事のない「まつろわぬ民たち」なのである……。全内容が真実か否かは不明だが、それを除いても考察自体が面白い一冊。2011/05/18
makkachinn
0
多々良の民や鬼の話など日本の神話で伏される側にある人たちに焦点を絞って展開していく。荒神を祀っている地域に住んでいるので興味深かった。・川下に起きた水銀中毒や貨幣鋳造のための鉱石や炭の調達など、製鉄関係について専門的に掘り下げたらもっと良かったかもしれない。2017/12/17
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