内容説明
『よしの冊子』―それは、老中松平定信の命を受け隠密たちが役人の勤めぶりや市中のうわさを調べ上げた報告書。今も昔も変わらない本音とタテマエが交錯する江戸サラリーマン社会の実態とは―。
目次
序章 松平定信の登場
第1章 政権交代―松平定信と田沼意次
第2章 老中たちの評判
第3章 幕閣大名の生態
第4章 町奉行の勤務ぶり
第5章 勘定奉行と勘定所役人
第6章 江戸の機動隊、火付盗賊改
終章 松平定信の退場
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年岡山県津山市に生まれる。1980年東京大学文学部国史学科卒業。1982年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1982年東京大学史料編纂所助手。1993年東京大学史料編纂所助教授。2001年東京大学史料編纂所教授。2010年東京大学大学院情報学環教授。専攻は日本近世史。文学博士。『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社、1991年=講談社学術文庫、2003年)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maqiso
5
定信が老中になると人事が刷新され、そのころの役人への評判が『よしの冊子』に記録された。老中や奉行の就任の予想があり、当たっていることが多い。性格的にこの役職の方が向いているという評価もあって面白い。町奉行には町人からの批判や期待も書かれている。定信が集めさせた評判なのでどれくらい世間を反映しているのかわからないが。2024/01/30
へたれのけい
4
日本史の副読本みたいな本。内容は面白い。ただ、「無駄な者もかって」(物が正)などの雑な誤字が気になります。いかんです。2016/06/30
はすみ
1
どうも、田沼・定信とくれば、先頃お亡くなりになられたみなもと太郎先生の『風雲児たち』の印象がついて回り、連載をリアルタイムで読んで衝撃だったが、今からみても、やはり慧眼であられたと思う。2021/10/12
kassie
1
松平定信が、幕府の役人に対する市政の噂や、同僚同士の評価などをまとめさせた『よしの冊子』かを素材に、当時の役人人事についてを平易な文章で解説したもの。公務員の世界と同じだなーと思いました。人事課が役所内のいろんな職員の評価にかかわる情報を集めたりするのと同じようなことをして、定信も人事を行っていたんですね。そして、こういう視点から歴史にアプローチするというのもあるんだと、非常に勉強になりました。2013/04/21
げんさん
0
江戸時代の下馬評などをまとめたもの。役人(高級官僚)の生態は現代とも大差がないと感じた。2013/11/23
-
- 電子書籍
- 話が違うと言われても、今更もう知りませ…