内容説明
今年の“春マタギ”で二匹の熊を仕留めたマタギの統領半蔵とその一統。上々の首尾を報告がてら訪れた三戸代所で、マタギ奉行から思わぬ相談をもちかけられた。熊胆鑑定の権威でもある上司の代官から奉行が掴まされたという熊胆の偽ぐすり―裏の事情を知る尾法沢銅山の金山奉行を訪ねるよう依頼され旅支度にとりかかった半蔵に、古老マタギの佐助爺からもある内密な頼み事がもちこまれる。またしても半蔵が巻き込まれた“偽ぐすり事件”。旅の前途に怪しげな雲行きが…。『春マタギ』につづく、厳しい山の掟に生きる男たちの世界を描いた書き下ろし長編。
著者等紹介
葉治英哉[ハジエイサイ]
1928年青森県生まれ。青森師範学校本科中退後、法政大学文学部日本文学科卒業。89年に「戊辰牛方参陣記」で第37回地上文学賞、94年『〓(またぎ)物見隊顛末』で第1回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。