内容説明
時代を動かす大小さまざまの歯車がきわどく交叉して成立した薩長密約―果たして薩摩は長州との約束を実行したのか…。多くの謎を秘めた薩長連合の軌跡を追う。
目次
第1章 薩摩交易とその挫折(梅田雲浜の商圏構想;白石正一郎の薩長交易 ほか)
第2章 薩長の確執(久坂玄瑞の遊学;航海遠略策をめぐって ほか)
第3章 薩長和解の動き(龍馬始動;横井小楠と龍馬 ほか)
第4章 いわゆる「薩長同盟」(桂久武の上京;木戸孝允の出京 ほか)
第5章 盟約実行(一月十八日の会合;一月二十日の送別会 ほか)
著者等紹介
冨成博[トミナリヒロシ]
1922年、山口県生まれ。作家。九州大学工学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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国士舘大学そっくりおじさん・寺
46
新人物文庫。もう『歴史読本』も新人物往来社も無いのだなぁと思うと淋しいものがある。来年の大河の関連本がちらほら出始めたせいか、幕末本がマイブームである。著者は山口出身で、松陰や高杉の伝記を出しておられる方。梅田雲浜から始まる薩長連合(近頃は薩長盟約だの密約だのと言う)の歴史。読めばわかるが無数の人間が登場し、その誰がいつ殺されても捕まってもおかしくない。一人一人が危ういバランスの中で活動している。つくづく幕末とは尋常ならぬ時代。坂本龍馬の活躍を疑う人がいるが、これを読めば龍馬不在では成り難かったとわかる。2017/10/28