内容説明
遠野出身で、「佐々木鏡石」の筆名で小説を発表していた喜善の語る民話をもとに、不朽の名著『遠野物語』が生まれた。その名声の陰で小説家として挫折してゆく喜善の、屈折した心のひだと報われぬ生涯を描いた表題作「幽霊記」(直木賞候補作)ほか、千島探検の郡司成忠に冒険の夢をかける反骨の医師(「熱血記」)、平民宰相原敬への無償の奉仕に生きた男(「幇間記」)を描く二篇を収録。
著者等紹介
長尾宇迦[ナガオウカ]
1926年、旧関東州大連市生まれ。岩手県立高校教員を経て、文筆業。64年「山風記」で第2回小説現代新人賞受賞。87年「幽霊記―小説・佐々木喜善」で第98回直木賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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