内容説明
土佐藩の藩論を尊王攘夷に導き、土佐勤王党を結成、その指導者となった半平太。当時、土佐藩政は参政吉田東洋を中心とする公武合体派がにぎっていたが、半平太は東洋を暗殺して藩政を動かす。だが、翌年再び藩論は公武合体に傾き囚われの身となった。獄中での過酷な尋問と病魔に耐えながら至誠を貫いた瑞山半平太、三十七年の生き様を克明に描く。
目次
序幕
剣士から志士へ
土佐勤王党の結成
東洋暗殺
入京
王政復古案
天誅
攘夷勅使の実現
江戸城乗り込み
攘夷即行の確定
容堂との対決
逮捕・入牢
訊問開始
以蔵と獄の拡大
罪案の詮索
同志と奸物
拷問に問い落とし
盟の問題・以蔵の問題
土俵際
闘争の簡潔
判決と切腹
方向
終幕
著者等紹介
松岡司[マツオカマモル]
昭和18年、高知県生まれ。法政大学大学院日本史学専攻修士課程中退。高知県佐川町立青山(せいざん)文庫名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとう
1
私には読解が難しく、読み終わるのにかなり時間がかかってしまったが、豊富な情報量でとても勉強になった。全体の半分のページを割く獄中闘争は読んでいるこちらも滅入ってしまうが、ここでしか垣間見ることのできない武市先生の信念や人となりに数多く触れる事ができた。史料は難解でとても手が出なかったのでありがたい一冊。 また色んな本を巡って改めて読み返し、たくさんの再発見をしたい。2022/06/16
水瀬しあ
1
武市半平太の一生を史料に基づいて追う一冊。史料の現代語訳がされないところがちょっと辛い気もしつつ、解説が丁寧なので大筋の把握には問題ないかと。京時代とか獄中闘争とか、史料が残っている時期についてはかなり詳しくわかります。筆者の視点が公平ながら優しく寄り添うようでもあって、最後は涙なしには読めませんでした…。これを読むまで詳しくは知らない歴史人物だったんですが、知れば知るほどあの時期の死が惜しい人物すぎる。2020/03/23