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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちっこい まつき
1
組物五作の現代語訳と解説が書かれているこの本は、鈴木春信の「風流座敷八景」の解説が一番手が込んでいると思う。オリジナルの中国伝来の水墨画「瀟相八景」を座敷の情景にもじった狂歌があり、それを仲立ちとしながら春信が描いた「座敷八景」を本人がパロっているという、意味が二重三重に込められている非常に興味深い春画だった。ただ、詞書きが江戸の風俗に密着していて面白いのは、どちらかというと歌麿の「ねがひの糸ぐち」や北斎の「富久寿楚宇」。歌麿の「ねがひの糸ぐち」は、紫などの退色しがちな青系がきれいに残っていて美しかった。2011/02/07