目次
序章 市来四郎の証言
第1章 安田轍蔵を追う
第2章 薩摩藩の陰謀
第3章 琉球通宝と島津斉彬
第4章 偽金天保通宝の鋳造
第5章 偽金の鋳造高
第6章 鋳銭材料の確保
第7章 安田轍蔵の再登場
第8章 「天ぷら金」の贋造
著者等紹介
徳永和喜[トクナガカズノブ]
1951年鹿児島県に生まれる。九州大学大学院人文科学府歴史空間論専攻日本史学分野修了。博士(文学)。鹿児島県立高校教諭を経て、現在鹿児島県歴史資料センター黎明館調査史料室長。『鹿児島県史料』の幕末維新史料編纂業務に携わる。鹿児島大学非常勤講師を兼ねる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えちぜんや よーた
17
「幕府の許可あり偽金」と「幕府の許可なし偽金」の2種類があることが分かりました。前者は銅貨で、大阪の三井を窓口として金1万両分の兌換用意をしたらしいです。ただ、後者の偽金は、銀貨もどきで金銀をかぶせた洋銀(ニッケルなどを用いた代用銀)、文字通り偽金らしいです。どんな裏付けで持ってもって、偽金の信用が増加し、軍事費が調達が出来たのかについての紙幅は、少なかったです。前者は木棉買い上げの目的で、後者はどうも軍事費調達のための貨幣なので、こちらの方についてより知りたかった。2012/08/06
nyaboko
0
薩摩の偽金づくりに焦点をあてて書かれた本です。とてもおもしろかったです! 幕末の薩摩の原動力は黒糖や密貿易だけではなかった、そういったことに興味ある方はぜひ。
ルヴナン
0
労作。薩摩藩は討幕資金調達のため、偽金造りにも手を染めていた。背後にいたのは大久保利通と小松帯刀、またお前らか。その実行者、安田轍蔵は功罪諸共歴史の闇に葬られた、同じく藩に尽くした調所笑左衛門がそうされたように。終盤で偽金造りは広く行われてたよ、他藩もやってたよとバラシが入ってそりゃないよ、とはなる。明治政府の高官となった大久保が贋金潰しに奔走させられる羽目になったのは笑う。2018/02/27