内容説明
石田三成の汚名を冤ぎ義に殉じた生涯を描く。
目次
第1章 出自と生いたち
第2章 石田三成の足跡
第3章 太閤没後の体制と動向
第4章 三成隠退後の家康の行動
第5章 石田三成の挙兵
第6章 太閤晩年の不祥事、石田三成関与説
著者等紹介
白川亨[シラカワトオル]
昭和39年3月、望月印刷株式会社専務取締役に就任。その後、代表取締役に就任。昭和54年3月、胃の悪性腫瘍(胃癌)治療のため胃を全摘。昭和61年、代表権を返上、非常勤取締役、監査役を経て昭和63年退社。以後歴史学の研究に専念、史跡史料探索のため全国を奔走(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
7
石田三成の汚名を返上すべく根気よく詳細に調査しその生涯を詳らかにしてくれている。ところどころ某の性格上ありえないとか推測が入ってはいるものの、様々な資料から三成姦臣論を退けているのは良い。北政所≠武断派としているのが印象的で、関ヶ原で秀頼が出なかったのは家康を信じた淀君のせいだという。三成が横柄とか姦臣だとそんな人物に殉じる人なんか居やしない。もっと世間一般的に三成の人柄や能力を見なおしてほしいなあと西軍びいきの私は思いました。2016/06/26
紫
3
2009年刊行。著者の白川亨氏は六十歳を過ぎてから石田三成研究を始めたという在野の歴史研究家でして、石田三成の次男の子孫なのだとか。いわゆる「子孫本」の一冊であります。そんな本書のポイントは、従来の通説の「北政所=武断派=親家康=反三成」対「淀殿=文治派=親三成=反家康」という構図に疑問を投げかけ、関ヶ原合戦当時の淀殿は三成とは疎遠でむしろ家康と結んでおり、北政所が三成と提携していた……どころか積極的に反家康を画策して三成たちを巻き込んだという「北政所黒幕説」を打ち出してみせたこと! 星4つ。2021/06/23
なつきネコ@たくさんの本に囲まれてご満悦な化け猫
3
秀吉英雄化の為に悪役にされた三成。とりあえず読み終わった感想の第一は三成はとてつもなく忙しかったんだな。なにせ、三成讒言説のアリバイが別の場所で検地で、暇はないといったあたりが憐れを感じる。しかも、浪人した人々を多く雇いいれ、特に一族抹殺された秀次の娘を幸村に預けていたりと余計に仕事が増えている様。子孫特有の決めつけかあるが、資料を丹念に読みといて書かれているスタイルは信用できる。三成の子供たちがほとんど迫害されず、諸公の中で混じっていったのを初めて知った。石田三成の苦労がよくわかった一冊。 2017/07/27
猫科とらねこ
1
ファン以外の人が読んだらつまらないかもですが最高です。三成の悪い噂の真相をきちんとアリバイを立証しつつ、真実を検証しています。 三成ファンからすると本当にうれしい一冊2012/09/28
美亜希
1
作者が石田家の末裔ということで…所謂「武将の子孫特有の本」感が拭えない部分も多かった。門外不出の文書も参考に執筆されたそうなので信憑性は高いとは思うが、時々「○○さんはそういう性格ではないのでそんなことするはずない」等の若干決め付けてかかっているのが引っかかってしまうので、もう少し「石田三成」という人物を勉強してからこの本を読み返したい。三成関与説を全部論破していたのは気持ちよかったです。2014/05/15