内容説明
戦国末期、上州吾妻郡の峡谷地帯に割拠し、遠く血縁で結ばれた土豪たちの中で、ひとり武勇をもって名をあげんとした羽根尾輝幸は、真田氏の謀略の手にかかって悲運の死をとげる。山峡に生きる男たちの土地に賭けた野心と執念を描く表題作「執念谷の物語」。北海道唯一の大名松前家の藩祖武田信広になりすました男の数奇な物語「蝦夷天一坊」ほか、「ただいま十六歳」「平将門」「西郷隆盛と勝海舟」「殿様の限界」「西郷隆盛」と、全集未収録の「鹿児島は西郷王国か」。
著者等紹介
海音寺潮五郎[カイオンジチョウゴロウ]
明治34(1901)年、鹿児島県に生まれる。国学院大学卒業後、指宿や京都で中学校教師を務めるかたわら創作にはげみ、「サンデー毎日」大衆文芸賞受賞を機に、執筆活動に入った。昭和11年、「天正女合戦」で第3回直木賞を受賞。綿密な時代考証の上に、独自の史観を展開し、歴史小説に新たな領域を拓き、多くの著作を残し、昭和43年第16回菊池寛賞、昭和52年芸術院賞受賞。昭和48年文化功労者に選ばれた。昭和52年12月没。享年76歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きくちたかし
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とにかく面白い2017/01/30
リッチー。
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室町中期に北海道に進出した「偽」武田信広の話が面白い。中世日本海貿易という視点には目からウロコ。表題の執念谷は話題の八ッ場ダム周辺に割拠していた地侍の抗争の物語。真田昌幸野望の土地はダムに沈むのだろうか。他は将門、西郷など海音寺ファンおなじみの史伝。
一城別郭
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執念谷の物語、蝦夷天一坊、ただいま十六才、平将門、など短編集。冒頭の作品は、上州吾妻群、羽根尾(海野)輝幸の物語です。舞台は(羽根尾城)、(岩櫃城)、(沼田城)などですが、この(羽根尾城)に惹かれこの本を買いました。こんなマイナーな城を扱った話を書くとは…(嬉しい)。今度行ってみたいと思います。2010/05/27
オサム
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海音寺潮五郎、やはり今でも読まれているだけのことはあるな…と思わされた。2019/12/17
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