新人物文庫
新撰組顛末記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784404036001
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0121

内容説明

新選組の副長助勤となり、のちに二番組長を兼任した新八は、近藤勇らとともに池田屋へ斬り込んだ。新選組随一の遣い手として幾多の戦闘に加わり、十三人の大幹部のうち、ただ一人生き残った。北海道に渡り小樽に住んだ新八は、孫たちを相手に新選組の懐旧談を語り、記録に綴る晩年を送るが、大正二年(一九一三)三月から、『小樽新聞』記者の取材に応じて語った連載をまとめたのが本書である。近藤勇や土方歳三らとの交友、池田屋の乱闘、血の粛清など、幕末動乱の修羅場をくぐりぬけた者のみが知る生々しい証言が語られている。

目次

浪士組上洛
新撰組結成
池田屋襲撃
禁門の変
高台寺党粛清
鳥羽伏見の激戦
近藤勇の最期
会津転戦
新撰組資料 同志連名記―杉村義衛遺稿

著者等紹介

永倉新八[ナガクラシンパチ]
1839年(天保10)、江戸生まれ。本姓長倉。元は松前藩士。武者修行中に近藤勇に出会い浪士組に参加、新選組結成後は二番組長を務めるなど新選組草創期からの中心人物で、池田屋事件、油小路事件などで活躍、鳥羽伏見の戦いでは、新政府軍の銃弾に対して刀一つで突撃する豪胆さも見せた。甲陽鎮撫隊や靖共隊(靖兵隊)に属して戦うが、米沢より江戸へ帰還。松前藩への帰藩が許され、藩医の杉村介庵の婿養子となり杉村治備(後に義衛)と名乗る。北海道松前に渡り、その後小樽へ移り、樺戸集治監の剣術師範となる。退職後は東京へ戻り、剣術道場を開くが、小樽へ再度移り住む。数少ない新選組幹部の生き残りとして、板橋に近藤勇、土方歳三の墓を建立した。1915年(大正4)、病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

84
新選組を見る上で押さえるべき資料として読むのに相応しいと思います。幕末動乱期を生き抜き、新選組幹部としてその剣を振るった男・永倉新八。内部にいた彼だからこそ語れる新選組の歴史がここにあるといえるでしょう。事件や内部事情など、全てが生々しく、これが実際にあった出来事だと思うと鳥肌が立ちます。「京の都、血の雨の降る所に新選組あり」とはよく言うものですが、新選組は内外共に血の歴史を歩んだということがよくわかります。2017/05/05

とくけんちょ

57
新撰組の生き残りが世に残した実録。その内容は、非常に生々しいもの。斬殺、扼殺、暗殺と読みながら、血特有の鉄臭い匂いが伝わる。やっぱ、人が人を殺すってことは、綺麗なはずはないんだと改めて実感。殺しの緊張感は、酒と女を抱いて解きほぐす。一級の資料です。2020/12/30

10$の恋

44
「新撰組に永倉新八あり」。京の街に名を馳せた獰猛児の生涯が本人より語られている。幕末の動乱を九死一生で乗り越えた波乱万丈の実録本。さて、江戸に生まれ腕白だった新八、神道無念流で屈指の剣士となる。そして道場破りの旅へ。やがて道場を開く近藤勇以下、土方・沖田・原田ら武骨な剣士と意気投合…と言うわけだ。他の小説では読めぬ隊士たちの平素の些事や裏舞台、これが実に興味深い。新撰組の実態は、常に生々しい凄惨さをつれづれとした。一迅の烈風を幕末の京に巻き起こした剣客集団、永倉新八は確かにその核を成していた猛者である。2022/06/22

いりあ

37
歴史は往々にして勝者によって語られる事が多く、幕末の動乱は薩長連合の官軍の目線で語られるものが多い。新選組は幕府軍と行動を共にし朝敵とみなされたので、多くの記録で本当の姿を伝えているか疑問が残る。そんな中で、本書は異彩を放ちます。なぜなら新選組隊士、永倉新八が晩年に小樽新聞の記者に語った連載をまとめた本だからです。実際に近藤、土方や沖田らと行動を共にし、池田屋事件や禁門の変を戦った彼の口から語られる生々しい話は迫力が違います。途中、永倉が関わってない事件の描写があるが、たぶん記者が別途まとめたんだと思う。2012/11/27

ロッキー

30
晩年の永倉新八が亡くなる2年前に新聞記者に語った事を構成した新選組の記録。話が淡々と展開し近藤勇との会話があるくらいで他の隊士の会話があまり無いため小説等に比べると物足りない部分はあるが、史実を語っていて斬る斬られるの世界なので描写が妙に生々しい。特に池田屋事件では物語としたら楽しめるが、実際は修羅場ですね。“敵の刃先で衣類がさんざんに切り裂かれ、ふと自分の左手がベトベトするに気が付き、よく見ると親指の付け根の肉を切り取られていたのだった”。リアルな描写だった。やはり近藤勇との関係はよくなかったのですね。2011/05/22

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