内容説明
食べるのが、怖い!ストリキニーネ入りのビール、緑青入りのお茶、焼き石膏入りの小麦粉…。現代日本もビックリの食品偽装が、すでに19世紀イギリスで問題になっていた。
目次
第1部 鼎談 近代イギリスの食をめぐって
第2部 イギリス文学にみる“危ない食卓”(食の中の毒―ヴィクトリア朝時代中期の食品偽装の言説とセンセーション・ノベル;酒の危なさ―十九世紀英国の危ない“酒”を「ジャネットの悔悟」に読む;食べてはいけない、食べない、食べられない―ジェイン・オースティンの拒食症患者を診断する ほか)
第3部 翻訳資料(食品偽装および食品に含有される毒についての論考(抄)―パン、ビール、ワイン、酒類、茶、コーヒー、クリーム、菓子、酢、芥子、胡椒、チーズ、オリーヴ油
ピクルス、その他、家庭で用いられる様々な食品をめぐる不正な偽装を暴き、かつ、それらを見抜く方法を示す
麦酒講演新版(抄)
神経性食欲不振症(ヒステリー性消化不良、ヒステリー性食欲不振症) ほか)
著者等紹介
横山茂雄[ヨコヤマシゲオ]
1954年生まれ。奈良女子大学大学院教授。専門はイギリス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kri
7
最近興味深々の16〜19世紀の食について面白い切り口だと思って借りてみた。当時の女性たちが女らしさを求められての節食、少食とか、不幸なことだ。現代でも痩身の為のダイエットは横行しているのだから社会の圧力は健在なのだが。オースティンは当時の女性としては珍しくこうした因習には批判的な作品も残しているそうだ。代表作群に散見する女性たちの拒食症状態には世間的規範の縛りが色濃い。英国で最初に興った菜食主義運動も興味深い。詩人シェリーが流行の先人でトルストイ、ガンジーらに波及した。他に深刻な食品偽装もこの時代から。2021/02/25
viola
6
19世紀イギリス文学にみる食と毒。 食に着目した文学研究は多くなっているけれど、アメリカ文学のほうが盛んなような? パンをおいしそうに白く見せるためにはミョウバンを加えたり、オースティン作品の拒食症患者を考察したり、ヴェジタリアンや、禁酒についてなど、盛りだくさん。 かなり興味深い内容です。一応専門書にはなっているけど、かなり読みやすい内容。2010/07/13
W
5
話題が散らかってるので、所々を拾い読み。現代の私は過度の飲酒を「依存症」「健康被害」と結びつけて考えるが、19世紀イギリスでは健康問題ではなく、「モラルの堕落」「家族への悪影響」「家庭の崩壊」をもたらすがゆえに”危険”とされていたそうな。断酒成功はすなわち「モラルの回復」を意味する……あまりピンとこない感覚だ。2026/02/21
misui
4
産業革命をきっかけに表出した近代イギリスの食の問題を見る。食品偽装、禁酒運動、拒食症、菜食主義と、論集なのでやや掘り下げが足りないものの現代にまで通じる様々なテーマが拾えた。都市化につれて労働者が料理に手間をかけられないために露店が発達するとか、栄養学によって作られるイメージやナショナリズムの発揚などは、我が身を省みても思うところがある。2020/02/01
くさてる
3
題名通り、19世紀の英文学における食生活や健康法、食にまつわる病気やジェンダーの問題まで幅広く取り上げた内容。食品偽装や摂食障害、菜食主義など様々な食に関するテーマが文学にどのようなかたちで取り上げられたかに迫りながら、同時に、当時の食文化についても知ることが出来る。当時の文章も掲載されていて、とても面白く読むことが出来た。2012/07/04




