内容説明
哀切な悼句に秘められた初恋のひと寿貞への想い。若き日の芭蕉と寿貞を描く書き下ろし長篇力作。
著者等紹介
別所真紀子[ベッショマキコ]
昭和9年、島根県に生まれる。日本社会事業学校卒業。著書に『芭蕉にひらかれた俳諧の女性史』(第1回長谷川如是閑賞入賞論文所収)『雪はことしも』(第21回歴史文学賞作を所収)『つらつら椿―浜藻歌仙帖』(町田文化賞)のほか、詩集、童話等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マカロニ マカロン
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個人の感想です:B。すて(寿貞)は伊賀上野で松尾忠右衛門(通称甚七郎、後の芭蕉)の独居の家事担当で派遣された小女(10歳位年下)。諸説あるが、後に江戸で桃青(芭蕉)との間に3子を産む。本書は芭蕉の動静不明の6年間を(出仕した藤堂良忠(伊賀上野藩嫡子・俳号蟬吟)の急死から江戸出府迄)を久居藩開設の隠密として働き、すてが妻同様の扱いで同居したとする。本作で芭蕉は隠密役を出府以降も続けるため、すては伊賀の幼馴染みと結婚し、3子を産み、夫死去後落飾し寿貞院となる。表題は寿貞院死去の報を受けた芭蕉の追悼の句 2023/01/29