内容説明
水野忠邦の「ご政道改め」の嵐が吹きすさぶ天保時代を舞台に、権力に立ち向かう浮世絵師・歌川国芳の生きざまを描く異色作!第24回歴史文学賞受賞作!表題作のほか、「風霊の家」「物怪の街」等4篇を収録する新鋭の歴史秀作集。
著者等紹介
城野隆[ジョウノタカシ]
本名・鎌田雄三。昭和23年、徳島県に生まれる。大阪教育大学卒業。平成12年、「妖怪の図」で、第24回歴史文学賞受賞。現在、公立学校勤務
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感想・レビュー
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キムチ
7
装丁は素敵だが、内容は今一。妖怪・・でなくて、江戸期の文化が時の権力により生死を分けられたり、根絶やしにされかねない状況を描いたもの。其処で踏みとどまらんとするものあり、立ち向かうものあり。 だが権力の何んとも嫌らしい振る舞いに、義憤を感じさせられる。 国芳、一九、馬琴、源内等をエピーソドタッチで綴る。面白くないわけでないが、何とも気が入らない。センテンスが短いので、余情があふれれば広がりがあるのだが・・ 以前読んだ杉本苑子氏の物語の方が面白かった。2013/06/26
siopop
0
この本は表紙に妖怪達が跋扈するおどろおどろしい本なのですが、 内容は水野忠邦による天保の改革に伴って弾圧された側の江戸時代の絵師や物書き達のお話を集めた短編集で、特にお化けや妖怪の話ではありませんでした。 読み始めて最初はあれれ? お化けは出ないのと思っていたのですが、この本なんとも面白いんです。 作品は読んだ事があっても、人物は良く知らない十辺舎一九とか滝沢馬琴とか、そんな有名な登場人物達を生き生きと書き出していました。皆 悩みながら物を書き上げ老いて行ったんだな~と。2012/04/04
まさみつ
0
意外と面白かった。滝沢馬琴・十篇社一句・平賀源内など、芸術や文化を通じて幕政と戦った男たちの短編集。時代背景がほぼ同じであるので非常に読みやすいです。2010/02/08