内容説明
日本最初の雪の結晶図鑑『雪華図説』を著した古河藩主土井利位と家老鷹見忠常の主従の絆と人間像を活写する秀作。第22回歴史文学賞受賞作。他に「月のない宙」「四不像」「ハンザキ小町」「夢の翼」の4篇を収録。
著者等紹介
市原麻里子[イチハラマリコ]
昭和36年、鳥取県に生まれる。成城大学文芸学部卒業。平成10年、「天保の雪」(筆名・間万里子)で、第22回歴史文学賞受賞
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感想・レビュー
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浅葱@
6
短編集です。何かに憑いてしまった人を描いた(うーん)表題の「天保の雪」は古河藩主土井利位に仕えた家老、鷹見忠常の眼を通して時代を描いたもの。歴史文学賞受賞作。雪華の美しさから厳しい時代を感じとることが出来て深いものがありました。他の4作は、何かに自分から憑いてしまい目が離れない、仄暗さや濁り、重苦しさを感じるもののよくわからない話でした。奇妙な気味悪さが残っています。「天保の雪」が霞んでしまったのは残念。市原さんと編集者の意図が見えなかったなぁ。2013/01/28
ri-fa
1
短編集。感想としては、着眼点とかテーマは面白いんやけど中途半端な印象。どの話も不完全燃焼な感じで、1つの話にいろいろ詰め込みすぎてる感がある。そのため、どの出来事も人物も深く描けていない。もっとテーマを絞るか、2話目以降で1話目の話を他の登場人物の視点からも描くなどしたらもっと良かったかもと思う。せっかく興味深い題材で書いてるのに、十分に生かせてなかったのが残念。あと文章が説明的すぎて、あまり物語の中に入り込めない。2話目で飽きて読むのやめちゃった。題材はどれも面白い。今後の成長と編集さんの働きに期待。2012/03/06
chako@壁紙は厳島神社
0
お初の作家さん。掲載の短編5作のうち2作ほど面白いものがあったけど、残りは残念。ストーリーよりも解説的な部分が多くてまるで論文でも読んでる気分だった2014/04/24
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