内容説明
歴史は無数の名もなき人々の営為の所産である。英雄や偉人も、なんの前ぶれもなく現れる突然変異・偶然の産物ではありえない。かれらもまた、自らが生きた時代の制約をうける。したがって、いくたの毀誉褒貶をいったん解体し、当時の政治・社会との距離をはかりつつ、相対化すること。月なみな言葉をもちいれば、奸智にたけた姦雄でも、全能の超人でもない曹操の実像にせまること。それが本書に与えられた、ささやかな課題である。
目次
第1節 濁流に生まれて
第2節 曹操の起家
第3節 挙兵
第4節 群雄への道
第5節 天子奉戴
第6節 中原を制す
第7節 赤壁の敗戦、そして魏王へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蜻蛉切
23
専門家による一般向けのテキストだが、非常に読みやすい。 本自体は、2000年のものなので、内容に新味がある訳ではないが、独自の視点での指摘の数々は面白い。 昨今は、どちらかというと、ゲームや漫画などの影響もあり、「破格の人」という評価に偏りがちな、全能の人のイメージが先行している感があるが、著者はその辺りは冷静に分析していて、赤壁の辺りにおいては、曹操は既に時代に遅れているのではないかとの見解を述べている。 また、「やられ役」に対する再評価も多い。 新味は無いが堅実で読み応えがあった一冊である。2020/10/26
千尋
7
魏の礎を築いた曹操の生涯について詳細に書かれている研究書**曹操が実は感情的な人物であり、家族面では結構可哀相な人であったことがよくわかりました。2011/01/06
カワセミ440
3
三国志とかで書かれてる曹操って結構悪役でひどい扱いだ。去年上野の国立博物館で三国志をテーマとした催しがあって、最終日に行ってみた。曹操の墓のレプリカや出土品が展示されてた。曹操だけじゃなく息子の曹丕や曹植の遺品とか、1800年前の物がちゃんと残ってるって凄いねえ。2020/04/23
あなたの弟
1
詳しく書かれていてよかったと思う。★22014/05/26
ヒロ@わんこ
0
これいいね。わかりやすいし。読みやすい。2012/10/08
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