内容説明
芭蕉と越人。濃密な師弟の交情を描く表題作はじめ、「ちり椿」「浜藻春風」など俳諧の世界を活写する秀作集!第21回歴史文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
10
祖母は、いわゆる昔の人で自分も、自分の欲求も前面に出さない女性でした。祖母は何か楽しいことがあるのだろうかと幼い頃は思いました。しかし、そんな祖母が、自己表現として唯一選んだのが俳句でした。 あのおとなしい祖母にも自分の中の何かを吐き出したい、という欲求が あり、その術を知っていた事に、安堵しました。この物語に登場する 俳句は、誰かの句にふさわしい後の言葉を続ける、ライブ感にあふれる 言葉遊びの印象が強いです。しかし、その短い言葉の端々に、詠んだ人の 生活、心持ちが透けて見える事も確かです。2007/07/25
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